ベネッセ福武会長に聞く「日本企業のアート活用術」 直島40年にみるブランド戦略とは?(2/5 ページ)
ベネッセホールディングス取締役会長・福武英明氏に、日本企業がアートと向き合う際の“現実的な活用術”を聞いた。
アートのビジネス観点だけで測れない多様性
――福武会長は「FUTURE VISION SUMMIT 2025」に審査員として参加しました。どんな手応えがありましたか。
審査をしていて印象的だったのは、知らない活動が多かったことです。審査員をすると、大体は知っている作品や活動、アーティストが多いものですが、今回は私だけでなく他の審査員の方々とも同様の話をしていました。
要因の一つとして、アートの掛け合わせが、これまで以上に広がっている点があると思います。私たちもこれまで、「アート×建築」「アート×建築×自然」といった掛け合わせでユニークさを出してきましたが、今回はそれをさらに超えていました。アートの可能性には、本当にいろいろな組み合わせがあるのだと知れました。「アートはビジネスにとってどうなのか」と問うだけでは見えてこない、もっと多様な可能性があるのだと認識できたのは面白かったですね。
――受賞企業の中で、特に印象に残ったものはありましたか。
私がプレゼンターを務めた太宰府天満宮は印象に残っています。歴史がある伝統的な場所で、現代アートや現代建築を取り入れることはなかなか珍しいと思います。実際に太宰府天満宮へ行くと、境内のあちこちに現代アートを展示していたり、建築家の藤本壮介さんが仮殿を手掛けたりしています。普通ならなかなか想像しにくい取り組みで、かなり挑戦的だと感じました。
――確かに1100年以上の歴史を有する太宰府天満宮が、神社の仮殿を現代建築で造る試みは斬新でしたね。参拝者数は毎年過去最高を更新。周辺地域でも飲食店や宿泊施設が増加するなど受賞理由に「アートとのコラボレーションを通じて地域全体に広く経済効果をもたらした」とありますね。
はい。神社仏閣は保守的になりがちなところも多いと思いますが、リスクを恐れずに新しいものを積極的に取り入れようとする姿勢は、本当に素晴らしいと思います。
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