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ベネッセ福武会長に聞く「日本企業のアート活用術」 直島40年にみるブランド戦略とは?(3/5 ページ)

ベネッセホールディングス取締役会長・福武英明氏に、日本企業がアートと向き合う際の“現実的な活用術”を聞いた。

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海外は「歴史×現代アート」が日常 日本で少ない理由は?

――海外だと、歴史的な場所と現代アートのコラボレーションはよくありますよね。

 海外では比較的多いですよね。例えば、仏パリのベルサイユ宮殿で村上隆さんや李禹煥(リ・ウファン)さんが大規模展示をしたり、ベニスビエンナーレの際には多くの歴史的建築物の中でさまざまな現代アーティストが企画展示をしています。一方で日本では、そういう取り組みがまだ少ない。その中で太宰府天満宮のような事例が出てくると、波及効果は大きいと思います。

――なぜ日本では、そうした取り組みが少ないのでしょうか。

 規制が多いこともあるでしょうし、世界遺産や重要文化財のような場所だと、取り扱うのにさまざまな許可が必要になります。われわれが直島でこのような活動ができたのも、一つには島という場所の性質上、外から隔離されていて、ひっそりと自由に活動できたことが良い意味で影響しているのかもしれません。

 もう一つは、私たちの活動に関していえば、これまで基本的に外部からの資金を入れていない点があります。外からの資金に頼らないことで、自分たちがやりたい活動を自分たちの判断で進められる。クリエイターの可能性を解放できる環境をどう作るか。これがとても大事だと思います。

――直島は、ベネッセにとってどんな存在なのでしょうか。

 組織としては、大きくベネッセホールディングスと福武財団の2つがあります。株式会社と公益財団法人が同じ経営理念を持って活動しているのは、かなりユニークだと思います。両方とも理念は「よく生きる」です。

 ベネッセは、教育や介護といった事業を通して「よく生きる」を実現していく。一方で福武財団は、芸術文化を通して「よく生きる」を追求していく。最終的なゴールは同じですが、同じ山を異なる登り方で登っているようなもので、表から登るのか裏から登るのか、という違いに近いかもしれません。ですから、全体としては一体となって取り組んでいます。

 ただ、見ている方向は同じでも、見ている時間軸はだいぶ違うところがあります。短期で見ると顧客も全然違います。ベネッセの事業だと顧客はユーザーになりますし、財団活動の顧客は地元のローカルコミュニティの方々になります。しかし最終的には、人々の「よく生きる」を追求していくことにつながっていきます。

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