インタビュー
ベネッセ福武会長に聞く「日本企業のアート活用術」 直島40年にみるブランド戦略とは?(1/5 ページ)
ベネッセホールディングス取締役会長・福武英明氏に、日本企業がアートと向き合う際の“現実的な活用術”を聞いた。
「アートは、企業経営にとって本当に意味があるのか」
人材育成、新規事業、ブランド価値の向上――多くの企業が創造性の重要性を口にする一方で、アートへの投資には今なお「費用対効果が見えにくい」という声も根強い。
そうした中、40年以上にわたりアートを軸に地域と向き合い、世界的評価と経済効果の双方を生み出してきた企業がある。ベネッセグループと福武財団による「直島」の取り組みだ。ベネッセは1980年代後半から香川県・直島でアートを活用した活動を開始。有名な地中美術館に加えて、空き家を改修し、アーティストが空間そのものを作品化した「家プロジェクト」などを運営してきた。
アートを単なる文化支援ではなく、企業の思想やブランドを形づくる装置として捉えてきた同社は、何を大切にし、何を捨ててきたのか。
ベネッセホールディングス取締役会長・福武英明氏は、2025年12月9〜10日に東京・丸の内で開催した都市型カンファレンス「FUTURE VISION SUMMIT 2025」(大丸有エリアマネジメント協会、Forbes JAPANなどが主催)で審査員を務めた。
同イベントでは、アートとビジネスの可能性を切り拓く企業・団体の取り組みを表彰する「ART VISION AWARD」の審査・表彰を実施。カルチュア・コンビニエンス・クラブや福岡県の太宰府天満宮などの企業・団体が受賞した。
福武氏に、日本企業がアートと向き合う際の“現実的な活用術”を聞いた。
福武英明(ふくたけ ひであき)ベネッセホールディングス取締役会長・福武財団理事長。大学卒業後、キーエンス、エス・エム・エスなどを経てベネッセホールディングス取締役会長。2023年、福武財団理事長に就任。ニュージーランド国内でも投資会社など複数の企業を経営する。1977年岡山県生まれ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ベネッセHD小林仁社長「学校による格差なくしたい」 生徒に寄り添い最適な学びをサポート
小中学校の学校現場で授業を補完する教材などを長年にわたり提供してきたベネッセ。デジタル教材を活用して生徒に寄り添った学びのサポートを進めようとしている。「教育や介護事業は形やモノではなく、その理念が重要」と強調する小林仁社長に、デジタル時代の教育事業に在り方について聞いた。
学研、介護事業が「30%成長」の原動力に 「M&Aの成否」を分けるのは?
学研グループの2024年度のグループ売上高は1855億円に達し、そのうち医療福祉分野が約900億円と全体の半分弱を占めるまでに成長した。この急成長の背景には、積極的なM&A戦略の展開がある。M&Aを牽引する学研HDの細谷仁詩・取締役上席執行役員にインタビューした。
学研HD新体制の舞台裏 コンサル出身経営者が挑んだ「ブランド統合とDX」
学研ホールディングスでも2021年4月、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の細谷仁詩氏が取締役上席執行役員に就任した。コンサル出身経営者が、なぜ学研の現場で新たな挑戦をしようと考えたのか。
「NECのイベント」に富士通社員も登壇 オープンイノベーションに本腰を入れたワケ
NECが、オープンイノベーションに本腰を入れている。NEC Open Innovation Nightには富士通の社員も登壇。同社の取り組みの真意に迫る。
「SaaSが終わる? 興味ない」 ラクス社長が語るAIの「真の脅威」
国内SaaS業界トップランナーのラクス。「SaaSが死ぬかどうかってそんなに興味ない」と明かす中村崇則社長が、本当に恐れているものとは何なのか。業界トップが明かすAI時代の生存戦略を聞いた。
AI競争は「Googleの圧勝」で終わるのか? Gemini 2.5 Proの衝撃
米国のテック系人気ユーチューバーの何人かが、こぞって「AI開発競争はGoogleが勝利した」という見出しの動画をアップしている。これでGoogleの勝利が決定したのかどうか分からないが、少なくともOpenAIの首位独走の時代は終わったのかもしれない。
NEC「ブルーステラ」誕生の舞台裏 コンサル人材を自社で育成する強みとは?
NECが5月、新たなDXブランドとして価値創造モデル「BluStellar」(ブルーステラ)を立ち上げた。なぜ新たにブランドを設立したのか。その強みは? NECマーケティング&アライアンス推進部門長の帯刀繭子さんに聞いた。