コラム
投資は苦手だけど、ポイントは好き “1.6%還元カード”が突く日本人の心理(3/3 ページ)
「投資」ではなく「ポイント」として暗号資産を届ける──。Binance Japan Cardは、日本人特有のポイント志向に着目し、暗号資産への心理的ハードルを下げた。
問われているのは商品か、設計か
こうした動きの背景には、制度の変化もある。現行の資金決済法から金融商品取引法への移行が進められており、暗号資産は「怪しいもの」から「金融商品」へと位置付けが変わる。税制も、最大55%の総合課税から20%の分離課税へと見直される方向だ。
制度が整えば、暗号資産は「普通の金融商品」になる。だが、制度だけで心理的な壁が消えるわけではない。
Binance Japan Cardが示しているのは、商品の中身を変えなくても、届け方を変えれば、届く人が変わるという事実である。「投資」を「ポイント」に言い換え、「買う」を「もらう」に置き換える。それだけで、同じものでも違って見える。
暗号資産に限った話ではない。「怖い」の正体が「なじみのなさ」であるなら、入り口の設計次第で、見える景色は変わる。このカードは、その実験の始まりである。
筆者プロフィール:斎藤健二
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
年会費9万9000円で「買えないものを買う」 どういうこと? 富裕層カードの知られざる世界
富裕層向け最上位カード「Visa Infinite」が打ち出すのは、“買えない体験”を商品化する戦略だ。限定イベントや特別サービスを通じ、アクセスそのものに価値を持たせる仕組みを読み解き、ポイント経済圏の新たな潮流を追う。
3万円払っても欲しい? ATMでは使えないのに人気沸騰のメタルカード
JCBが2024年10月に発行した招待制カード「ザ・クラス」が注目を集めている。ATMでは利用できず、発行手数料も3万3000円と高額。それでも発行後わずか2カ月で想定を上回る申し込みがあるという。
三井住友カードのクレカ投信積立で“大改悪” 5大ポイント経済圏の最新動向
企業が発行するポイントが消費活動に欠かせないものになってきた。多くのユーザーが「ポイ活」にチカラを入れているようだが、企業側はどのような囲い込みを図っているのか。最新動向をまとめてみた。
住信SBI、ランク制度大改定 勝者と敗者がくっきり分かれるワケ
住信SBIネット銀行が2026年5月に「スマートプログラム」を大改定する。クレカ・アプリ利用者は優遇縮小、一方給与受取層はメリット拡大。銀行は顧客選別を進め、収益性重視の経営にかじを切ったようだ。
「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきた
「年収700万円」ファミリーは、どんなところに住んでいるのでしょうか。データを分析してみました。

