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サイゼリヤ「値上げしないのに」増収増益、なぜ? インフレ下で客単価が上がるカラクリ(4/4 ページ)
値上げが常識となったインフレ下で、価格を据え置きながら増収増益を続けるサイゼリヤ。実質賃金の逆転現象や「心の会計」が生む客単価上昇の仕組みを解き明かし、マクドナルドとの明暗を分けた要因に迫る。
「クーポンを探さない」消費者が増えている理由
日本マクドナルドは高度なクーポン戦略で知られるが、それが「クーポンなしでは割高」という認識を消費者に植え付けている可能性もある。
興味深い指標が、Googleトレンドにおける「クーポン」の検索動向だ。検索数はコロナ禍をピークに、2023年以降は大きく減少している。
かつて外食では「いかにクーポンで安く済ませるか」が重視されていた。しかし現在は、数%の割引を得るために手間をかけること自体を敬遠する消費者が増えているとみられる。
他店で1200円のセットがクーポン利用で1100円になっても、サイゼリヤなら最初から500〜600円で同等の満足が得られる。実質賃金が低下する中で、消費者が求めているのは「いつ行っても財布を裏切らない」という確信なのだろう。
クーポンを探す手間は、消費者にとっての「見えない人件費」でもある。時給1200円であれば、6分間クーポン探しに費やした時点で120円の値引きは相殺される。
インフレ下では、クーポン巧者の企業ほど伸び悩み、価格が安く、かつ一貫しているという透明性の高いモデルほど支持を集める。その象徴がサイゼリヤなのである。
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