銀無垢色に輝くフェアレディZは、なぜ作られたのか 旧車のビジネスモデルに変化到来:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
東京オートサロンは、カートレンドを象徴するイベントへと成長した。2026年もメーカーなどが趣向を凝らした展示を展開する中、異彩を放ったのは銀色に輝く日産フェアレディZ。異業種コラボによるアルミボディの製作は、どのように進められたのか。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
2026年も自動車関連のイベントは東京オートサロンが皮切りであった。そもそもはレーシングカーやチューニングカーのイベントだったが、年を重ねるごとに巨大化し、今やカートレンドの総合見本市にまで成長している。
なかでも近年、成長著しい分野が「ネオクラシックカー」と呼ばれる1990年代を中心とした旧車関連のカテゴリーだ。他の旧車系イベントがオリジナル重視なのに対して、東京オートサロンはカスタムカーの祭典なので、旧車もモディファイ(一部の部品を変更)されたクルマが中心だ。
自動車メーカーもかつて生産していたクルマのレストアサービス(新車に近い状態に復元)など、旧車系に力を入れ始めている。また、今後販売予定の車両を展示し、来場者の反応を見ることで需要予測にも役立てている。
トヨタは「TOYOTA GAZOO Racing(トヨタガズーレーシング)」として、巨大なブースを展開。別館の北ホールながら集客効果はすさまじく、初日の特別招待日でもブース内は大混雑であった。
中でも人気だったのはGR GT/GT3で、実車を世界初公開(一般向け)しただけでなく、ホワイトボディやパワートレインまで完全に披露。これはトヨタファンでなくても、チューニングカーや旧車が好きな層にも刺さる展示だっただろう。
トヨタのブースで大部分を占めたのは、一般には初公開となるGR GT。レーシングカーのGT3とアルミ合金製フレーム、パワートレイン、足回りといった、大柄なスポーツカー4台分の展示で、特別公開日の午前中でも大変な混雑ぶりだった(筆者撮影)
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