6万円で苦戦したのに、なぜ8万円でヒットしたのか イワタニが炊飯器の“居場所”を変えたワケ:インタビュー劇場(不定期公演)(4/5 ページ)
アウトドア向け炊飯器として登場し、6万円で苦戦したイワタニの炊飯器。機能はほぼ変えず、価格は8万円に引き上げた新モデルがヒットした。その背景には、用途や競合を見直し、商品の“居場所”を家庭に移した戦略があった。
「置いておきたい家電」に
土肥: レザートーン仕上げって、見た目のためだけでなく、アウトドア感を薄める狙いもありそうですね。そうすることで、「これはアウトドア用品ではなく、キッチン家電だ」と打ち出し、消費者にも「置いておきたい家電」として受け止められているのかもしれません。
ただ、気になるのは価格なんですよね。前モデルと比べて、2万円も高くなっている。価格設定で苦労した点はなかったでしょうか?
阿部: さまざまな部品のコストが上昇しているので、価格はどうしても上げざるを得ませんでした。商品化に向けて、作業を進めていると「本当にやるの?」「ちょっと高くない?」という意見が出てきました。
購入者には、プロゴハンを毎日のように使ってもらいたいですが、最初からそこまで使う人は多くないでしょう。実際には「週末だけ使う」というケースが想定される中で、「8万円の炊飯器は高いのではないか」という声がありました。
では、どのように開発を進めたのか。「直火×ガス」でご飯を炊くと、おいしく食べられる――。この価値を知っている人に向けて、販売するのはどうかと考えました。いきなり、数万人に売るのは難しい。しかし、数百人であれば、この価値が伝わるのではないか。というわけで、「数百人で勝負させてください」と訴え、販売場所を応援購入サービスにしました。
土肥: で、販売したところ、850人を超えました。この結果をどのように見ていますか?
阿部: 想定以上でしたね。「アウトドア用の商品を、次は家の中で……」と訴えても、本当に伝わるのか。「色を変えただけでしょ」と指摘が入ることも予想しましたが、いまのところそれほどない。なぜか。背景に、お米の事情があるのではないでしょうか。
土肥: お米の事情? どういう意味でしょうか?
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