富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
「鎖国系立ち食いそば」の道しかないのか
では、今回の「富士そば騒動」を踏まえてわれわれはどうすべきか。日本は内需の国であり、年間90万人ほどの日本国民が減っていくなかで、インバウンドへの依存は避けられない。つまり、外国人観光客はこれからも増えていく。
そんな中で「立ち食いそば」のようなビジネスモデルを守っていくには、やはりネットやSNS上で支持されがちな「鎖国」しかないのか。それとも「平等」の観点から、立ち食いそばのような店も外国人観光客にもどんどん「開放」していくべきなのか。
いろいろな意見があるだろうが、筆者は「温泉や銭湯と同じように、利用者啓発をしていく」道が、最も現実的ではないかと思っている。
皆さんも観光地の日帰り温泉や温泉宿の脱衣所で、温泉の入り方に関するマナーやNG行為をイラストと多言語で説明したポスターを目にしたことがあるだろう。体を洗ってから湯船に入るとか、タオルをお湯の中に入れないなどの「温泉文化・入浴文化」を尊重しなくてはいけないことを、分かりやすく掲示しているのだ。
今ほどインバウンドが騒がれていなかった10年ほど前、全国で外国人観光客による温泉や銭湯のトラブルが多発した。体を洗わずに入る、カメラで記念撮影する、全身タトゥーで入浴する。そうした人たちへの対応に、多くの施設が頭を悩ませた。
そこで生まれたのが、このような「HOW TO ONSEN」といった啓発活動だ。もちろん、今でも温泉や銭湯でマナーの悪い外国人観光客もいるが、浴室にこのような掲示がたくさん貼られ、ガイドブック、ゲストハウス、ホテルなどにも配布されたことで、この10年でかなり改善された。
同じような取り組みとして「立ち食いそば版」を作成して、観光地にある立ち食いそば店では、入り口に掲示するのだ。
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