インタビュー
40年続いた“社内のタブー”を破った シャウエッセン「夜味」は、なぜ売れたのか(2/5 ページ)
発売から40年。ウインナーは「朝食向け」という社内の常識を疑い、夜の食シーンに踏み込んだシャウエッセン「夜味」。ブランドの軸を守りながら、なぜ新しい需要を掘り起こすことができたのか。その舞台裏を追った。
購買層の高齢化と食シーンの固定化
日本ハムによると、シャウエッセンの主な購買層は60代以上で、若年層との接点づくりが課題だった。また、喫食シーンは朝食や昼のお弁当に偏り、夕食での利用は限定的だった。
加工事業本部マーケティング統括部の岡村香里さんは「夜の食卓シーンにシャウエッセンを広げることができれば、既存ユーザーの利用頻度がさらに上がると考えた」と語る。こうした背景から着目したのが、夜の食卓だ。
夜の食卓に合わせるため、通常品よりも濃い味付けを開発する方針を固めた。ところが、社内からは「従来のシャウエッセンでいいのではないか」という意見のほか、「濃くするのならしょうゆをかけたらいいのでは」という声も挙がった。「簡単には承認を得られない、ハードルの高い商品だった」(岡村さん)
40年続くロングセラー商品であるだけに、社内には「シャウエッセンはかくあるべき」という考えやルールが浸透し、ある種の聖域のような存在になっていたことから、変化を加えることは容易ではなかった。
しかし、このままでは利用シーンが広がらないと考えた開発チームは、ターゲットとした30〜40代男性の普段の食事を社内で調査し、濃い味付けが求められていることを検証した。
それでも疑問の声は消えなかったが、何百回にも及ぶ試作を重ね、肉汁とパリッとした食感の「シャウエッセンらしさ」を残しつつ、スパイス比率を極限まで高めた。
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