40年続いた“社内のタブー”を破った シャウエッセン「夜味」は、なぜ売れたのか(3/5 ページ)
発売から40年。ウインナーは「朝食向け」という社内の常識を疑い、夜の食シーンに踏み込んだシャウエッセン「夜味」。ブランドの軸を守りながら、なぜ新しい需要を掘り起こすことができたのか。その舞台裏を追った。
タブーを破った調理法とネーミング
ハードルとなったのは、焼き調理の推奨だった。夜味に使用している特徴的なスパイスは、焼いたほうがおいしくなることが分かっていたが、社内では長年にわたり「シャウエッセンはボイルが絶対」という暗黙のルールがあった。
実は2019年にも、日本ハムは調理法のタブーに挑戦しており、新フレーバー「ホットチリ」「チェダー&カマンベール」の発売に合わせ、電子レンジ調理を解禁した。このときも社内では、議論が紛糾したという。それでも、段階的にチャレンジしてきた経緯があった。
焼き調理を推奨するにあたり、消費者の実態を調査したところ、ほとんどの人が焼いて食べていることが分かった。社内でも無記名のアンケートを実施すると、役員を含む社員の88%が、家庭では「焼いている」ことが判明した。
「社内では、シャウエッセンを焼くのはタブーで、そんな話題すら出ないほどだった」と岡村さんは振り返る。ところが、暗黙のルールと実態のズレが浮き彫りになり、焼き調理解禁への道が開けた。
ネーミングにもこだわっている。シャウエッセンは、他にも味わいを変えた派生商品を販売しているが、「おいちぃず」や「パワ辛」(いずれも2束、希望小売価格583円)など、どんな味か一目で分かる商品名が基本だ。しかし、今回の「夜味」は味わいに関する説明を加えていない。
根強かった「朝のイメージ」を払拭するため、ブランド史上初となる喫食シーンをそのまま商品名に冠した。これにより、夕食や晩酌といった新しい利用シーンを明確にする狙いがあった。
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