円安ジャパンの盲点 なぜ「消費減税」で日本は救われないのか:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
自民党の歴史的大勝で消費減税を期待している人もいるかもしれないが、既に日本では消費減税などを軽く吹き飛ばすような「社会保障費の膨張」が起きている。少子高齢化が進む日本で、国民にできることとは……。
「医療費削減」に向き合わなくてはならないワケ
「貴様! 病気で苦しむ人や、貧しい人、高齢者を切り捨てようというのか!」と頭に血が上っている人も多いと思うので、まずはそう考える理由を順を追って説明したい。
先ほど円安リスクがあるので、減税や積極財政は慎重にすべきと申し上げたが、これはあくまで理想論であって現実にはそうならないと思っている。
歴史を振り返れば、日本社会は生活不安が広がると「反緊縮」が時代の空気になって、それに逆らえないことが証明されている。「反緊縮」に異を唱えたり、財政規律を求めようとする政治家や官僚は国民からボコボコにされてしまうのだ。
なぜかというと、「国民が、そうした議論を求めていない」からだ。
例えば今、日本が本当にやらなくてはいけないのは、非効率な産業構造や社会システムを変えて、生産性の向上を実現し、労働者の賃金を上げていくことだ。低賃金を甘んじて受け入れているので、国民の豊かさを示す「一人当たりGDP」も韓国や台湾に抜かれてしまった。
だが、そんな地味な政策を訴えたところで、その政治家は選挙で見向きもされないだろう。
多くの国民は、この社会を変えることも望んでいないし、生産性向上のために自分自身が努力することもない。票を投じた政治家が、難しいことを勝手に決めてくれて、生活がラクになったり不安が解消されたりすることを求めているのだ。断っておくが、批判をしているわけではない。日本に限らず、有権者というのはそういうものだと言っているのだ。
したがって今回も、恐らく同じ流れになる。メディアやエコノミストは消費減税や積極財政を批判するだろうが、「苦しい庶民の声」に押し切られる。だが、それがさらに日本を貧しくしていく。
なぜかというと、消費減税の効果を軽く吹き飛ばしてしまうほどの「社会保障費の膨張」が起きているからだ。
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