なぜ“深夜の書店”に若者が集まったのか 紀伊國屋書店「夜通しフェス」完売の舞台裏(3/5 ページ)
1月31日、紀伊國屋書店 新宿本店で初のオールナイトフェス「KINOFES(キノフェス)」が開催された。告知から4時間弱でチケットが完売し、当日は750人が来場。書店の空間を生かし、どんな体験を提供したのか。現地を取材したところ……。
驚くほど「本」が売れた
キノフェスは、通常より1時間早く閉店し、午後8時30分に開幕した。筆者は報道陣として一般参加者より先に会場入りし、午後10時30分まで滞在したのだが、“フェス”と言っても会場内は落ち着いた雰囲気だった。
開場後、参加者が続々と入店したが混乱はなく、皆それぞれ気になる売り場へと静かに向かっていった。最も人が集まったという松井玲奈氏のトークイベントをのぞくと、フロアにあふれた参加者も行儀よく鑑賞していた。
参加者は20〜30代が中心で、男性よりも女性の姿が目立った。数人のグループで訪れている人もいれば、1人で参加の人もいた。
「若年層が多いのは狙いどおりでしたが、女性比率が6割を超えたのは少し意外でしたね。通常の書店利用者は女性のほうが多いのですが、深夜フェスなので男女比率は半々になるかなと思っていました。参加者の約3分の1が終電までに帰宅し、約半数が朝まで滞在していました」(星氏)
イベントに参加していない時間帯は、皆それぞれ好きな売り場をじっくり見ており、気になる本を何冊もカゴに入れている人をチラホラ見かけた。「実は、驚くほど本が売れました」と星氏は明かした。
「来場者の約8割が何らかの本を購入し、1人当たり平均で約3冊を購入していました。平均客単価は通常営業時の倍近くに達しました。ゲストが紹介した本だけでなく、多様な本が売れていて、これは全くの予想外でした。イベントを通じて普段書店に来ない方が来店し、新たな本との出会いにつなげられたことが最もうれしかったですね」(星氏)
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