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プルデンシャル謝罪会見 「おしゃれすぎる」スーツが“地雷”だったワケ:「31億円の不正」より叩かれた!?(2/5 ページ)

1月23日、プルデンシャル生命保険が謝罪会見を実施した。約31億円という巨額の不正事件そのものはもちろんだが、ネットを騒がせたのは、進行役を務めた男性司会者の服装だった。経営層が学ぶべき、謝罪の場における装いとは?

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脳が勝手に「不誠実」と断定する、服装と認知バイアス

 筆者は過去に何度か謝罪会見のディレクションをしてきた。

 幸運なことに、これまで取引してきたクライアントには、奇抜な服を選ぶスポークスパーソンはいなかった。そのため、装いに対しては「紺か黒のスーツで」といった常識的で汎用的な指導に留めてきたのが実情だ。しかし、今回謝罪会見にいる現場の人たちの話を聞くうちに、私自身も「これは見落としていた、自分でもやってしまいそうだ」と感じる失敗のポイントがいくつも見つかった。

 服装やファッションの常識は、刻一刻と変化する。だからこそ、2026年2月現在の「視点」を共有したい。

 なぜ、たかが服一枚でそこまで叩かれるのか。そこには認知バイアスの強い影響がある。

 例えば、人は第一印象に強く引きずられる(初頭効果)。ある実験では、顔を見せない男性の写真を5秒だけ見せて印象を評価させたところ、オーダーメードの高級スーツを着た場合と、既製品の安価なスーツを着た場合とで、評価が大きく変わった。前者は「自信がある」「成功している」とされ、後者はそうでなかった。襟やボタンのわずかな違いで、知性・誠実さ・信頼感といった評価が上書きされるのだ。

 会見のように視線が集中する場では、この効果がより増幅される。高級感が過剰だと「偉そう」「反省していない」と見なされ、逆に身なりが乱れていれば「だらしない」「責任感がない」と批判の矛先になる。服装はメッセージそのものと解釈され、発言内容よりも強く印象を残すことすらある。

 さらに、色彩が与える影響も見逃せない。色彩心理学によれば、青は誠実・信頼・冷静さを想起させるため、謝罪の場に適しているとされる。一方で赤やオレンジ、ピンクといった華やかな色味は「主張が強い」「威圧的」といった印象につながりやすく、謝罪会見では避けられる傾向にある。実際に、明るいネクタイを着用して謝罪に臨んだ経営者が「反省の色が見えない」と批判された例もある。

 加えて、ハロー効果(顕著な特徴が全体評価に波及する)も見逃せない。例えば高級時計やブランドのカフスボタンといった目立つ装飾品があるだけで、「生活水準が高い=反省していない」という飛躍した印象が形成される。

 見た目に“ノイズ”があると、それが受け手の脳内で「態度の問題」や「組織の誠意」にすり替わってしまう。つまり、謝罪会見の服装とは、単なるマナーやドレスコードではなく、非言語的なメッセージ戦略の一部になる。

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オーダーメードの高級スーツを着た男性は、「自信がある」「高収入だ」と評価された(写真提供:ゲッティイメージズ)

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