冬の定番「ニベア」 60年支持され続けるワケは、親子3世代マーケティングにあった(1/5 ページ)
冬の定番として長年支持を得ている「ニベア」、なぜ売れ続けるのか。親子3世代マーケティングからその理由を読み解いていこう。
2024年度、国内の化粧品市場は2兆5800億円に達した。2025年度は2兆6500億円と予測されており、年々右肩上がりで成長している巨大市場といえる。そのうち約5割をスキンケア分野が占めている(参照:矢野経済研究所「化粧品市場に関する調査(2025年)」)。
日本の夏は「高温多湿」だが、冬は「砂漠並みに乾燥する」といわれる。そこで寒くなると小売店の店頭には保湿クリームが並ぶ。その中で圧倒的な存在感を示すのが「ニベア」(NIVEA)だ。
ニベアはドイツ発祥のブランドで、日本での発売は1968年にさかのぼる(1971年にドイツ・バイヤスドルフ社と花王の合弁会社としてニベア花王を設立)。それ以来、半世紀以上にわたり日本の消費者に親しまれてきた。
特に青い缶に入った「ニベアクリーム」は、誰もが使ったことがあるほど認知度があり、通称“青缶”として親しまれている。
競争が激しい化粧品の世界で、なぜ、ニベアの人気は続くのか。ブランドの横顔と課題について、ニベア花王の小柴佳介氏(ビジネスユニット1 マーケティンググループ ブランドマネジャー)に聞いた。
ニベアブランド、4領域でトップシェア
「ニベアブランドの売り上げは順調です。2025年も前年比106%と大きく伸長しました。ブランドの中心となるのは『ニベアクリーム』で、約130億円のオールパーパス市場でのシェアは29.6%です(※)。2位の商品は12〜13%ですので、ニベアクリームが大きく引き離す結果となっています」(小柴氏、以下発言は同氏)
(※)ニベア花王ではスキンケアクリーム市場のうち、ハンドクリームや医薬品などを除いた市場をオールパーパスクリームと定めている。シェアはインテージSRI+調べ。
最近のブランド状況を説明しながら、小柴氏はさらにこう続ける。
「また、オールパーパス市場でニベアが参入している7カテゴリーのうち4カテゴリーでシェアNo.1を獲得しており、市場でも大きな影響力を持つブランドに成長しています」
トップシェアを逃している3領域は「日焼け止め」「ボディウォッシュ」「フェイスクレンジング」だ。
親会社の花王が家庭品から化粧品、化学品まで幅広い事業で商品展開するのに対して、ニベア花王の事業は化粧品の肌回りだ。根底に流れるブランド哲学は「肌へのいたわり」で、現在は「あなたの毎日を、スキンケアの力で輝かせたい」をテーマとして掲げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
年商54億円企業を「突然」継いだ兄弟 役員・社員が辞めていく中でも改革を続けたワケ
2023年12月、不動産会社のハタスで衝撃的な事業承継が行われた。当時、20代前半の兄弟が年商54億円の会社を突然継ぐことになったのだ。自分たちなりに改革を進める中で、役員や社員の退職も起こった。それでも改革を続けた2人の経営論を取材した。
SNSでオモチャ化する「謝罪会見」 プルデンシャルは何を読み違えたのか
近年、謝罪会見がSNSでオモチャにされている様子をよく目にする。1月23日に実施された、プルデンシャルの謝罪会見も例外ではない。同社は何を読み間違え、SNSでオモチャとして扱われてしまったのか。
負債2億円から売上35億円へ 「自分の代で潰す」と決めた二代目の“悪あがき”が最強のチームをつくり出すまで
2億円の負債を抱えるかもしれなかった状況で家業を継ぎ、”悪あがき”を重ねて売り上げ35億円を達成した清松総合鐵工。どのような改革を経て、V字回復を実現したのか。
ローソンの車中泊は、単なる「場所貸し」ではない 見落とされがちな体験価値とは
ローソンが実施している「車中泊」サービス、これは単なる「空いている場所を貸す」というビジネスにはとどまらない価値がある。利用者はどのような「価値」を見いだしているのか。


