冬の定番「ニベア」 60年支持され続けるワケは、親子3世代マーケティングにあった(5/5 ページ)
冬の定番として長年支持を得ている「ニベア」、なぜ売れ続けるのか。親子3世代マーケティングからその理由を読み解いていこう。
「ずっと変わらない」を3世代訴求で伝える
ニベアクリームは親から子、孫へと3世代を意識したマーケティングも行う。
「ニベアが長年にわたり掲げてきた活動に『大切な人を、まもりたい』があります。子どもの頃、冬の乾燥する時季にお母さんに塗ってもらった想い出を持つ方も多いのではないでしょうか? CMでもそれを踏まえた訴求をしてきました」
例えばコロナ禍の2021〜2022年頃は、離れて暮らす身内になかなか会えなくなった状況もあり、テレビCMではリモートで孫が祖母と対話するシーンを挿入。「そばにいるときも。はなれているときも。」を掲げて訴求した。
最近のCMでは「北風のニベア」をテーマに、小野寺吟雲(おのでらぎんう)さん(2010年生まれのスケートボード選手)や、豊嶋花さん(2007年生まれの俳優)を起用。小野寺さんは自分で塗ったりお母さんに塗られたり、豊嶋さんはスマホ画面上のお母さんと会話するシーンもある。
前述した消費者の使い方のように、商品の機能性は浸透しているため、CMでは情緒性の訴求を行う。それが「単なる保湿クリーム」を超えた「ブランドへの愛着」につながっているのだろう。
著者紹介:高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
日本実業出版社の編集者、花王の情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、企業の経営者や現場担当者の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例・ブランド事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。
「20年続く人気カフェづくりの本 ―茨城・勝田の名店『サザコーヒー』に学ぶ」(プレジデント社)、「なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?」(同)、「カフェと日本人」(講談社現代新書)、「『解』は己の中にあり」(講談社)、「日本カフェ興亡記」(日本経済新聞出版社)など著書多数。 E-Mail: k2takai@ymail.ne.jp
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