「物語の自動販売機」登場 “読めていない”層はどこまで動いたのか:「実証実験」の結果(3/4 ページ)
出版取次大手のトーハンが2025年10月より開始している実証実験「物語の自動販売機」が反響を得ている。企画のきっかけや今後の展開などを、プロジェクトメンバーに聞いた。
大学やミュージアムに設置
実証実験が決まったのは、2025年2月。同年5月には文化庁「令和7年度 文字・活字文化資源活用推進事業」に採択された。行政の後押しも得て、取り組みは一気に加速する。3人は通常業務と並行して、この実験を進めていった。
まず設置したのは、世田谷文学館(東京都世田谷区)、フェリシモ チョコレート ミュージアム(神戸市)、青山学院大学 (東京都渋谷区)の3カ所だ。世田谷文学館では、世田谷線100周年や世田谷文学館開館30周年と連動する形で展開した。
フェリシモ チョコレート ミュージアムでは、ミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」日本版のアートディレクションを手掛けた増田セバスチャン氏の企画展が開催されていた。そこで、原作『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール作/評論社刊)から印象的な11シーンを選び、展示内容と連動させながら原作の魅力を伝えた。
青山学院大学では、学生食堂入口に「物語の自動販売機」を設置し、学生への事前アンケート結果を踏まえた作品をラインアップ。学生が執筆したオリジナルストーリーも公募した。
実施場所の選定基準は「待ち時間が生まれる場所か」「その場で読める環境か」「自販機という形態と親和性があるか」の3点だ。
その後、2025年11月には「たまでんカフェ山下」(東京都世田谷区)、2026年1月には三軒茶屋「キャロットタワー」内の「生活工房ギャラリー」(東京都世田谷区)にも設置。2026年4月からは青山学院大学 相模原キャンパス(神奈川県相模原市)での設置も予定している。
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