2015年7月27日以前の記事
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寿司ビジネスを支える小さな仕組み ネタとシャリの秘密寿司ビジネス(2/3 ページ)

寿司ビジネスの本質は「ネタとシャリ」の構造にある。回転寿司から高級店まで、形は違えど共通するこの仕組みが、多様な流通・加工・販売の工程を支え、寿司文化を成立させている。

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 では、「寿司」はというと、江戸時代に生まれた当て字と言われており、「寿を司る」という縁起の良さから広まったとされています。

 現在では、意味の違いを厳密に使い分けることは少なく、握りずし、巻きずし、ちらしずしなども含めた総称として「寿司」や「すし」が使われています。なお、本稿でも特別な事情がない限り、「寿司」を用いることとしています。


寿司とは何か(出典:ゲッティイメージズ)

 次に、寿司とは何なのかを探るため、ここでも寿司の歴史を簡単にたどってみましょう。寿司の原型は、魚を保存するための発酵食品でした。魚を塩漬けにし、米とともに長期間発酵させることで保存性を高める方法です。この段階では、米は発酵を促すためのもので、食べるのは魚だけでした。

 時代が下るにつれて、発酵期間が短縮され、「生なれずし」と呼ばれる形が生まれ、やがて魚と米を一緒に食べるようになります。

 さらに時代が進むと、酢が使われるようになり、発酵を待たずに酸味を再現する「早ずし」が登場します。そして江戸の町人文化の中で生まれたのが、現在私たちがよく知る握りずしです。

 屋台で提供される、いわばファストフードとして広まり、寿司は一気に日常の食べ物となっていきました。

 このように寿司は、保存食から始まり、時代や技術の変化に合わせて姿を変えてきた食べ物なのです。

 では、ここまでの歴史を踏まえたとき、寿司に共通する本質は何でしょうか。

 形は違っても、寿司に共通しているのは「魚」と「米」と「酸味」。そして、これらを組み合わせるという構造です。これらは現代の形でまとめると「ネタ」+「シャリ」であり、この形が寿司になります。それ以外の細かなルールは、ほとんどありません。

 生でなければならないわけでもなく、魚でなければならないという厳密な決まりすら、時代とともに緩やかに変化してきました。

 もっと言えば、酢飯であるシャリの代わりにパンを使った「パン寿司」というものも、家庭の創作料理として登場してきています。

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