4兆円市場の壁を壊せ コーナン×バロー「異業態同盟」、カインズを射程に:小売・流通アナリストの視点(1/5 ページ)
コーナンがアレンザHDにTOBすることが発表された。大再編が進むホームセンター業界だが、この動きで一番得をするのは、どの企業なのか。
筆者プロフィール:中井彰人(なかい あきひと)
みずほ銀行産業調査部・流通アナリスト12年間の後、独立。地域流通「愛」を貫き、全国各地への出張の日々を経て、モータリゼーションと業態盛衰の関連性に注目した独自の流通理論に到達。執筆、講演活動:ITmediaビジネスオンラインほか、月刊連載6本以上、TV等マスコミ出演多数。
主な著書:「小売ビジネス」(2025年 クロスメディア・パブリッシング社)、「図解即戦力 小売業界」(2021年 技術評論社)。東洋経済オンラインアワード2023(ニューウエイヴ賞)受賞。
ホームセンター売り上げ3位の「コーナン商事」(以下、コーナン)が、同業界7位の「アレンザホールディングス」(以下、アレンザHD)に株式公開買い付け(TOB)を実施し、49.45%の取得を目指すと発表した。これを聞くと、小売業界でよくある上位企業による買収に見えるが、今回はやや意味合いが違うようだ。
アレンザHDは中部地盤の大手スーパー「バロー」の連結子会社だ。バローの現在の保有比率50.55%は維持したまま、その他の株主が保有する分をコーナンがTOBで取得し、持分法適用会社とするという。つまり、アレンザHDはバローとコーナンの両社の子会社となることを意味している。今回のTOBとともに、コーナンとバローの資本業務提携に関する基本合意も発表された。
大手スーパーと大手ホームセンター(以下、HC)の業態を超えた再編は、これまでには見られなかった。なぜ今回、このような動きが起こったのか。本稿では、HCの業界事情を見ながら、TOBの狙いを考察したい。
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