4兆円市場の壁を壊せ コーナン×バロー「異業態同盟」、カインズを射程に:小売・流通アナリストの視点(2/5 ページ)
コーナンがアレンザHDにTOBすることが発表された。大再編が進むホームセンター業界だが、この動きで一番得をするのは、どの企業なのか。
HC市場はどのように変化してきたのか
HCの市場規模は、直近の約20年間は4兆円前後の横ばいで推移しており、ほとんど増えていない(図表1)。HC需要は日用雑貨、DIY、ガーデニング、ペット、軽家電など、家に関連した需要であるため、新築の戸建てが増えないと拡大する見込みがほとんどないのが理由だ。地方では人口減少が進み、空き家が急増しており、今後さらに市場が縮小することが懸念されている。
そのため、HC業界では統合や再編による上位企業の寡占化が進んでおり、現在は上位8社のシェアが市場の3分の2以上を占めている。
こうした再編を主導してきたのが、業界2位のDCMである(図表2)。2006年に、北海道・東北のホーマック、中部のカーマ、中四国のダイキが統合してできたDCM。その後、業界再編の受け皿となり、中堅中小HCを多数傘下に収め、当時から実力ナンバー1とされていたカインズとトップを競ってきた。
3位コーナンなどの大手各社も、中小のM&Aを実施しながら成長を続けた。5位のアークランズも、アークランドサカモトとビバホームという上位企業が統合してできたものだ。
HC業界はM&Aによる再編が進み、現在のような構成となっている。上位企業による寡占化が進み、大手同士の大規模統合が加速すると言われていたところに、今回のコーナンとアレンザHDの同盟が誕生した形だ。これにより、1位のカインズを上回るグループが生まれる。
この動きは、コーナンが業界制覇を目指し、下位企業を傘下に入れようとしているように見えだろう。しかしここで注目すべきは、アレンザHDはコーナンの連結子会社ではなく、持分法適用会社だということだ。
アレンザHDは今後もバローの連結子会社であり、スーパーであるバローとHCであるコーナンという異業態が同盟を組んだと見るのが正しい。では、なぜそのような動きになったのか。
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