連載
4兆円市場の壁を壊せ コーナン×バロー「異業態同盟」、カインズを射程に:小売・流通アナリストの視点(3/5 ページ)
コーナンがアレンザHDにTOBすることが発表された。大再編が進むホームセンター業界だが、この動きで一番得をするのは、どの企業なのか。
寄り合い所帯のアレンザHD
ここで、アレンザHDが誕生した経緯を振り返ってみたい。
2016年に南東北のダイユーエイト、岡山のリックコーポレーションが統合して、ダイユー・リックホールディングスとなった。さらに2019年、バローの子会社であるホームセンターバローと経営統合した中堅HCの連合が、アレンザHDである。
当時の売上規模を見ると、ダイユーエイトが385億円、リックコーポレーションが148億円、ペット用品のチェーンであるアミーゴが156億円、バローホームセンターが571億円。まさに中堅HCの集合体であり、そこにバローが資本を投入して子会社化している。アレンザHDは寄り合い所帯なのだ。
これらの企業は出店エリアが分散しており、各地で親しまれたブランド名を重視したため、看板の統一は行われなかった。チェーンとなるメリットはインフラ統合というよりも、プライベートブランド(PB)が開発可能な規模を確保することによる生き残りだろう。当時でも、1000億円規模の売り上げがある企業でなければ、海外メーカーと組んでPB商品を開発し、輸入するのは難しいと言われていた。実際、バローのプレスリリースでも、これらの統合メリットとして「共同仕入・プライベートブランド商品開発の推進」を挙げている。
しかし、HC市場は成長が見込めず、寡占化も進んでいるため、1000億規模では勝者にはなれない。こうした状況下で、大手スーパーを本業とするバローが、HC事業を拡大してグループ内に抱える決断をしたのはなぜなのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「まいばすけっと」が都心に増え続けるワケ イオンが仕掛けた“ちょっと変なスーパー”の正体
まいばすけっとが京浜間で急増している。そほ背後には、イオンの巧みな“小規模スーパー展開”の戦略があった……。
ドラッグストアの大規模再編で、クリエイトSDが描く“勝ち筋”は?
ドラッグストアの大規模再編に終わりが見え始めている。その中で、神奈川トップクラスのクリエイトSDは、今後どのような成長を描いているのか?
トライアルGO、都内初出店 コンビニではない“真の競争相手”とは
トライアルGOが都内に初出店した。イオンのまいばすと似た形態で、「コンビニのライバル」とも報じられた。ただ、こうした小型スーパーの出店で困るのは、実はコンビニではなく、全く別の企業なのである……。
ヨーカ堂の“負け癖”断ち切れるか 復活支える「潤沢な投資余力」も
セブン&アイと分かれ、米投資ファンドのベイン傘下で再出発を切ったヨークHD。2028年の上場までに、歩むべき道のりとは?
イオンの攻勢、セブンの苦境――「スーパー大再編時代」と寡占化の行方
各地でM&Aを行い、小売業のトップの座を確立しつつあるイオン。一気に攻勢をかける理由は何なのか。そして次なるライバルはどの企業なのか。
