4兆円市場の壁を壊せ コーナン×バロー「異業態同盟」、カインズを射程に:小売・流通アナリストの視点(4/5 ページ)
コーナンがアレンザHDにTOBすることが発表された。大再編が進むホームセンター業界だが、この動きで一番得をするのは、どの企業なのか。
バローがHCを拡大する理由は?
勝者になれなければ、いずれ勝ち組HCの傘下に入る可能性が高い。再編が前提となるのであれば、HCの企業価値を最大化しておくことに加え、価格以外の条件面でも優位性を確保することが望ましいと考えるのが合理的だろう。
ここで、アレンザHDの業績と時価総額の推移を見てみたい。バローグループに入る前のアレンザHDの時価総額は109億円であったが、統合後に増加し、コロナ期の巣ごもり特需期は377億円となった。しかし、その特需が消えると300億円ほどで推移し、前期末には309億円となっている。
バローとの統合による効果は300億円台が限界だったことが分かるが、統合前と比べると200億円の企業価値を創出できている。
そして今回、コーナンの経営参加により、441億円とピークを更新した。単独のHCとして放置すれば、大手HCに二束三文で譲渡していたかもしれない事業を、バローは自社の支配権をそのままに、企業価値を最大化させることに成功したのである。
バローのメリットはそれだけではない。コーナンは京阪神や首都圏で最も存在感あるHCである(図表3)。多くの人は疑問に感じるかもしれないが、バローの中期経営計画を見るとそれが理解できるだろう。
バローは現在、関西で売上高1000億円、関東で500億円を目標に掲げ、積極的に出店を行っている。関西での売上高は500億円ほどとなっており、コーナンと協業して実験を行っている。この実験では、コーナンの店舗内にバローの複数業態のスーパーが出店し、その相乗効果がどれほどかを確認している。
HCは店舗が広いため、集客のために売り場を一部縮小し、スーパーをテナントとして入れ、来店客を増やす事例が多い。バローはコーナンとの提携によって、関西と関東で260カ所の出店可能性を確保したと言っても過言ではない。これにより、バローは京阪神や首都圏で大手並みのシェアを確保できる基盤を手にしたのである。
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