イオンやオーケーとどう戦う? トライアルが西友統合で仕掛ける次の一手:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
西友を買収したトライアルHD。競合がひしめく中で、どのような勝ち筋を描いているのか?
西友統合後の変化は?
西友は2023年4月、生鮮三品(青果・畜産・水産)の新ブランド「食の幸」を立ち上げ、生鮮強化を進めてきた。バイヤーが味と品質にこだわって商品を選定し、顧客が手に取りやすい価格で提供するのがコンセプトだ。当初は青果・畜産・水産の25品目でスタートし、2024年4月には185品まで拡大した。
このように品質にこだわった商品を販売する一方で、トライアルHDによる統合後は、弁当・総菜売り場や生活用品・日用雑貨売り場でさまざまなトライアルのプライベートブランド(PB)が販売されている。トライアル名物の「ロースかつ重」や、998円〜というワークマンに匹敵するほどの価格破壊ぶりと評されるストレッチパンツ「ノビルノ」、1本29円の歯ブラシなどが代表例だ。
さらに、小型店「トライアルGO」を西友の商圏内に配置し、サテライト店として活用する実験も始まった。平日は自宅近くの「トライアルGO」を利用し、休日は乗降客の多い駅前の西友を訪れるといった、店舗の使い分けを提案している。
「トライアルGO」は母店となる西友の店舗から徒歩圏内にある。そのため、母店の弁当・総菜コーナーで作った卵がたっぷり入ったサンドイッチやおにぎりなどをそのまま運び、販売できる。遠方の工場から配送する必要がなく、出来たての商品を提供できる点が強みだ。これにより、配送コストの大幅削減も実現している。
「トライアルGO」は2022年から福岡県内で展開を開始し、現在は約30店舗を構える。東京では西友とのシナジーを狙い、出店からわずか3カ月で都内5店舗にまで拡大している。
また、2025年11月28日には、トライアルと西友の両社の強みを融合した新フォーマット「トライアル西友 花小金井店」を東京都小平市にオープン。西武新宿線の花小金井駅から徒歩3分ほどの立地で、既存の西友花小金井店をリニューアルした形だ。
同店では、西友が2012年から展開するPB「みなさまのお墨付き」も販売している。一般消費者によるテストで80%以上の賛同を得た商品だけを商品化するプロジェクトで、安さと品質の両立を目指す。レトルトカレーをはじめ、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、高原ブロッコリーやカットほうれん草などの冷凍野菜が人気だ。
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