中小企業は「消去法」で50代を採用する 早期退職の前に知るべき現実(5/5 ページ)
大企業の早期退職募集の波が広がりを見せている。申し込みシニア社員も多いようだが、中小企業への転職は簡単ではない。構造的なギャップを解説する。
「だったら独立した方がいい」
最後に、近年最も強く伝えたいメッセージがある。
中小企業で働くのがどうしても嫌というのであれば、独立した方がいい。個人事業主は、厳しさを覚悟の上でスタートするものだ。そのため、環境の落差にショックを受けることもない。
また、会社員として中小企業に雇われると、給与も待遇も自分ではコントロールできない。環境の整っていない中小企業で年収500万円で働くなら、自分で500万〜600万円を稼いだ方がいい。
大企業である程度頑張ってきた人であれば、十分に稼げるポテンシャルはある。実際、当社にも大手商社から1200億円規模のプライム上場企業に転職したものの、「スケールが小さくてつまらない」「人材の質が低い」と相談に来る人がいる。
「転職活動をやり直しても同じです。独立してはいかがですか。」と伝えると、「やはりそうか」と納得される。最近、こうした独立への流れは確実に増えている。
早期退職前に「中小企業の実態」を知っておけ
これから早期退職に応募するかどうかを迷っている人へのアドバイスは明快だ。
転職先が簡単に見つかると思って応募するのはやめた方がいい。次が決まっているか、お金の目処が立っている人だけが応募すべきである。
そして、準備として最も重要なのは中小企業への理解を深めることだ。副業でもいいので、中小企業と関わる機会を作るのも得策だ。同級生に中小企業の社長がいるなら、とにかく実態を聞く。情報収集を徹底することである。
大企業は恵まれた環境だ。だがその環境は永遠には続かない。早期退職後のキャリアを分けるのは、経歴の華やかさではなく、この準備や心構えがあったかどうかである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
SNSでオモチャ化する「謝罪会見」 プルデンシャルは何を読み違えたのか
近年、謝罪会見がSNSでオモチャにされている様子をよく目にする。1月23日に実施された、プルデンシャルの謝罪会見も例外ではない。同社は何を読み間違え、SNSでオモチャとして扱われてしまったのか。
負債2億円から売上35億円へ 「自分の代で潰す」と決めた二代目の“悪あがき”が最強のチームをつくり出すまで
2億円の負債を抱えるかもしれなかった状況で家業を継ぎ、”悪あがき”を重ねて売り上げ35億円を達成した清松総合鐵工。どのような改革を経て、V字回復を実現したのか。
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
Tシャツなどのオリジナルプリントグッズの製作を展開するフォーカスは2020年のコロナ禍、倒産の危機に陥った。しかし現在はV字回復を果たし、売り上げは約38億円に上る。この5年間、どのような戦いがあったのか?
年商54億円企業を「突然」継いだ兄弟 役員・社員が辞めていく中でも改革を続けたワケ
2023年12月、不動産会社のハタスで衝撃的な事業承継が行われた。当時、20代前半の兄弟が年商54億円の会社を突然継ぐことになったのだ。自分たちなりに改革を進める中で、役員や社員の退職も起こった。それでも改革を続けた2人の経営論を取材した。
「予約を全て止めてください!」 老舗酒造で起きたミスから生まれた「日本酒」なぜヒットしたのか?
300年続く酒蔵の「特別な日本酒」を襲った製造ミス。廃棄ではなく「正直に出す」ことを選んだ結果、失敗は物語となり、そこから想定外のヒット商品が生まれた。
