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AIの「見えない影響力」 米政府とAI企業の衝突が突き付けた問い世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

米アンソロピックがAIの用途を巡って米政府と対立し、政府の調達から排除された。AI技術の利用範囲が拡大する中で、テクノロジー企業と利用者の関係も見直されつつある。社会への影響力の大きさを直視し、どのように利用していくべきか判断する必要がある。

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世界を読み解くニュース・サロン:

本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。

 2026年3月、米政府はAI企業アンソロピック(Anthropic)のAIモデル「Claude(クロード)」を「国家安全保障上の供給網リスク」に指定した。米国企業が自国の政府からこうした措置を受けるのは珍しい。

 Claudeが排除対象になった理由は、自律兵器や大規模監視の用途で自社のAIが使われることに、同社が強い警戒感を示しているからだ。そして、Claudeの利用可能範囲について厳格に線引きすることを主張したが、米軍は利用制限なしでAIを活用することを求めており、同社が掲げる倫理的制約と衝突した。

 その直前の2月28日に始まった米国の対イラン軍事作戦では、Claudeが作戦の分析支援に使用されたという。米軍は同社のAIを信頼していたはずなのに、一気に手のひらを返したことになる。


AIの軍事利用などを巡って、米政府とAI企業が衝突(画像提供:ゲッティイメージズ)

 これは単なる一企業の問題ではなく、テクノロジー企業と利用者の関係そのものが根本的に問い直されていると言っていい。AI企業側の強い理念が、利用者の期待を裏切ることもあるし、さらに一歩踏み込んで見れば、AI技術などを提供する企業の思惑に利用者がだまされることもあり得る。

 私たちは今、世界を根底から変える可能性があるAI、そしてそれを提供する企業とどう付き合っていくのか、真剣に考える時期に来ているようだ。

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