2000円以上もする「せっけん」なぜ売れる? 売上高23億円、首里石鹸の「安売りしない仕組み」(4/5 ページ)
コロナ禍でも成長を続けた、沖縄県のスキンケアブランド「首里石鹸」。せっけんは1個2000円以上するにもかかわらず、なぜ売れ続けるのか。地方ブランドの「勝ち筋」を取材した。
自家需要が全体の65% なぜ?
1号店が店舗単体ですぐに利益を出したため、「同じような店舗を増やせば、本社経費を含めても事業全体でいつか黒字になる」と拡大を決断。2年目には那覇空港や国際通りにも出店し、6店舗体制になった。中でも、道売り時代から「ここは絶対に売れる」と確信していた国際通りの松尾エリアの店舗は高い売上高を記録し、物販事業は2期目にして早くも黒字に転換した。
国際通りは現在も同社にとって最重要地域だ。緒方社長の「駐車場に車を停めてから500メートルくらいが商圏」という肌感覚に従い、32店舗中6店舗が約1.6キロの国際通りに集中している。
1店舗は3月にオープンしたばかりだが、他の5店舗を合わせた売上高は年間5億円以上に上る。観光地でブランド認知を高めたことで、「再会の場」に位置付けるオンラインショップの成長にもつながった。
さらに3年目頃からは商品ラインアップを拡大。二大看板商品である、沖縄の海底泥「クチャ」を配合した洗顔石鹸と、シークヮーサーなどの香りのハンドクリームに、化粧水や乳液、シャンプーなどの商品を加えた結果、日常使いの需要が増加。いまでは全体の65%程度が自家需要だ。お土産用と自分用をまとめて購入する客も増えて客単価が上昇した。
観光需要だけに頼らない収益構造は、コロナ禍でも業績が伸び続けた理由の一つだ。
緊急事態宣言が解除される度に全国各地の商業施設でポップアップストアを展開し、旅行に二の足を踏む時期に「沖縄が来てくれた」と県外客の需要をつかんだ。2021年には大阪駅直結の商業施設「ルクアイーレ」に県外第1号店を出店。その後も東京や愛知などに店舗を広げ、経営基盤を固めていった。
物販事業が全体の売上高の7割を超え、2024年10月には社名自体をコーカスから首里石鹸に変更。コールセンターを事業譲渡し、経営資源を重点的に投入できる体制を整えた。2025年には小ロットの新商品を開発する研究工房と人材育成を行う模擬店舗を併設した新事務所を本社敷地内に建設し、持続的成長に向けた環境づくりを進めている。
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