地方観光を支える外国人スタッフ ビザ制度が追いつかない理由:観光ビジネス(3/3 ページ)
地方の観光業は、宿泊・飲食など労働集約型産業であり、日本人だけでは人材確保が困難である。現場では外国人スタッフが不可欠な存在であり、適切な採用・待遇・定着策が観光地の成功の条件となる。
現在、日本の観光業で働く外国人の種類は就労ビザによっておおよそ4タイプに分けられます。それぞれで許可されている仕事の範囲が違うので、ここでは簡単にだけ触れておきます。
(1)技術・人文知識・国際業務(通称:技人国ビザ) :いわゆるホワイトカラー寄りの業務(フロント・予約・インバウンドマーケ・通訳・広報〈多言語HP更新など〉)で、掃除やベッドメイクを“常態的に”やらせるのはNG
(2)特定技能ビザ:宿泊、外食、輸送など特定の業務に特化して就ける
(3)技能実習生ビザ:あくまで技能を覚えてもらい本国で活躍してもらうことが目的のビザなので、宿泊も飲食も小売りも“作業を覚えること”が目的のポジション
(4)留学(インターン)ビザ :在留資格は「特定活動(告示9号)」で、最長1年以内の有給インターンが典型。中身は“技人国相当の内容”であることが求められる
ここで課題となっているのは、マルチタスク化を図りたい今の日本の観光業において、縦割り過ぎて、実態と合わなくなっているという点があります。
例えば、ホテルで技人国ビザで就労しているスタッフに清掃やベッドメイクをやらせてはいけないとなっているため、配置転換で清掃や設備などに異動することができません。
そうすると、フロントの応募はやたらあるし、人も拡充しているのに、料飲や清掃が人手不足という状況が実際に起きているのです。
制度ができた当時とは情勢が変わっているので、今後は実態に合わせて見直しをしていく必要があると感じます。
そして、何となく海外の働き手が日本に永続的に来てくれることが前提となっていますが、今後はそれほど甘いものではなくなるとも予想されています。
というのも、これから全世界的に観光業が発展するために、4000万人というとてつもない数の観光人材不足が予測されているのです。そしてもっとも深刻になると言われているのが日本なのです。
また、アジアの都市ではすでに日本よりも好待遇で募集が出ているところもあります。「人材は稼げるところに移動する」のですから、いつまでもアジア諸国から日本に働きに来てくれるとは限りません。このことは常に頭に入れておく必要があると強く感じています。
内藤英賢(ないとう・ひでさと):
合同会社Local Story代表
早稲田大学政治経済学部卒業後、三菱UFJ銀行に入行。退職して、吉本興業の養成所(NSC)を経て約3年半芸人として活動。その後、観光業界へ転身し、株式会社アビリブに入社。株式会社プライムコンセプトの創業にも参画し、取締役副社長COOなどを歴任。宿泊施設や観光地のマーケティング・ブランディングを中心に300以上のプロジェクトを手がける。現在は地域活性化やDMO支援、講演活動など幅広く活躍している。
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