メルカリ、男女賃金差7%→1.4%に 同じ職種・等級でも残る「説明できない格差」を追究して分かった事実(3/4 ページ)
2023年にメルカリが発表した「男女賃金格差」の実態は当時、大きな話題となった。当時の7%の賃金格差は現在1.4%に縮小。その裏にどのような歩みがあったのか。
7%の「説明できない格差」 どこから来ていた?
「説明できない格差」の要因をさらに分析した結果、中途採用時のオファー年収の差に行き着いた。
日本企業では前職年収を踏まえてオファー額を決めるのが一般的だ。メルカリでも同様の慣行があったことに加え、同社は中途入社が9割以上を占めていた。
社会構造的に女性の年収が低い傾向にある中、前職年収を基準にすると女性のオファー額も低くなりやすい。同じ等級・役職でも、500万〜600万円のレンジの中で、男性は上限に近く、女性はそれ未満で提示される可能性がある。前職で生じていた「説明できない格差」を引き継いでしまっていたのだ。
「入社時で見ると、『説明できない格差』は9%発生していました。その後、当社の評価・報酬制度が適用される中で、自然に7%に縮小されていたことが分かりました」
社内の賃金格差のデータとアクションプランをまとめて、2023年3月に経営会議に持ち込んだ。その際に議論となったのが「『説明できない格差』の7%という数字が大きいのか、小さいのか、普通なのか」という点だ。
国内では同様の開示例がなく、判断基準が存在しなかった。それでも、この数字を是正すべき水準と捉えなければ、格差の解消にはつながらない。
「AdobeやPayPal、Indeedといったグローバルテックカンパニーがベンチマークとしている数字を確認したところ、多くの企業が±1%という数字を設定していることが分かりました。それを踏まえると、7%という数字は大きい。±1%を目標にギャップを縮小していこうと提案しました」
報酬調整によって是正を進めるという方針について経営層の了承を得て、4月に最終合意に至った。
中田氏は当時を振り返り、「是正にはまとまった予算が必要でしたが、経営層で『他の成長投資に回すべきではないか』といった議論は出ませんでした。賃金格差の是正をコストではなく、フェアな待遇を実現するための投資と捉える判断だったのです。その背景には、I&Dをグループミッション達成に不可欠と位置付ける、経営陣のフェアネスへの強いコミットメントがあったと感じています」と話す。
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