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映画料金「2000円」の時代に、なぜ動員数は増える? ヒット作に見る、新たな傾向(3/3 ページ)

2025年に映画館に足を運んだ人数が1億8000人を突破した。映画料金が2000円と高騰する中で、なぜ動員数が増えているのか?

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映画館に求められる体験価値の変容

 また、ユーザーから見た「映画館ならではの体験価値」の変容により、特定ジャンルがより支持を得やすくなっている可能性も考えられる。

 ライブ・ビューイング・ジャパンの調査によると、「サブスクリプションサービスでの視聴ではなく、映画館で観たい映画の内容・ジャンル」という質問に対し、「映像美や音響が重要なアクション・SF映画」の回答が54.4%、次いで「ライブ・コンサート映像など、音響の良さが重要な作品」が33.4%の結果だった。


サブスクリプションサービスでの視聴ではなく、映画館で観たい映画の内容・ジャンルは?(画像:ライブ・ビューイング・ジャパン「映像鑑賞の実態調査」より)

 昨年の興収ランキング上位にも、アニメ・実写を問わず、アクションなどが印象的な作品が数多く並んでいる。サブスク登場以前から人気の高いジャンルではあるものの、家で映画やドラマを観る習慣が生活に浸透したことで、棲み分け的に「映画館ならではのメリット」をユーザーが選別する意識は今後も強まっていくかもしれない。

 本稿では、直近のヒット作を振り返りながら、SNSでの口コミやレコメンド機能による動員への影響を分析してきた。無論、昨年の好調は『鬼滅』『国宝』などの力作がそろったことやSNS上でのバズによる側面も多分にあるだろう。

 また大手シネマコンプレックスの好調の陰でミニシアターの閉館が相次ぐなど、映画文化の多様性という観点では課題も残っている。昨年の勢いを逃さず、今年度も客足を伸ばすことができるか。引き続き注目したい。

著者紹介:白川穂先

エンタメ企業と編集プロダクションで編集・取材・執筆を経験し、個人で執筆活動。ドラマ、映画、アニメなどエンタメ記事の企画・執筆を幅広く行っている。1994年生まれ、北海道出身。


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