30代後半は「捨て駒」なのか? 新卒&シニアへの大盤振る舞いの陰で広がる「働き盛り」の絶望感の正体:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/4 ページ)
今年の春闘では新卒初任給アップやシニアの待遇改善といった動きが目立ちました。そんな中、働き盛りであるダブル氷河期世代へは目は向けられていません。
排除され続ける「ダブル氷河期世代」
第一生命経済研究所の分析によると、就職氷河期に当たる50〜54歳の年齢層の所定内給与は、5年前(2020年)に比べて−1.3%です。他の世代が一様にプラスなのに、この世代だけマイナス。需給の好影響が全く届いていません。
リーマン氷河期世代(30代後半)に至っては、多くの企業で「不足感」があるにも関わらず、今回の春闘ではスポットが当たりませんでした。
「コロナ禍にごっそり30代が辞めてしまったので足りない」「トラブルがあって深夜に社員を緊急召集したところ、来たのは40代後半の課長と20代の若手だけ。なんとか最悪の事態が回避できたのは奇跡だ」「20代の時は頑張っていた社員が30代後半になると辞めてしまう」──これらは全て、私が聞いた現場の声です。
日経ビジネスが電子版の読者を対象に実施したアンケート調査でも、約7割が「会社で30代が足りない」と回答。30代の労働力人口は2003年の1434万人から、2023年には1193万人へと減少し、30代が全体に占める割合も2003年の21.5%から、2023年には17.2%と2割未満です(参照:「『会社で30代が足りない』 独自調査で7割回答 Z世代も流出危機?」)。
これらのリアルを鑑みれば、働き盛りの30代への投資を行うべきです。ですが嘆くわりには投資する実態がない。「30代中盤で仕事とどう向き合うか?」は極めて重要なテーマですし、30代の優秀な人材が「我が社」で獲得した知識やスキル、人的ネットワークは企業にとっても貴重なリソースです。30代の力をどう生かすかで、企業と国の10年後が決まると言っても過言ではありません。
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