青山「みんなのスーツ」なぜ売れる? 4万7000着突破の裏にある“引き算”の発想(3/5 ページ)
青山商事の「みんなのスーツ」が4万7000着を突破。スーツ離れが進む中、なぜ売れるのか。低価格とS・M・L表記、部品を削る“引き算”設計でハードルを下げ、新たな需要を掘り起こした。
従来のスーツとの違い
みんなのスーツは、サイズ表記をカジュアル衣料と同じS・M・L方式とした。メンズスーツは、一般的に体形と身長の組み合わせで「Y5」「A5」などと表記するが、大半の消費者は自分のサイズを知らず、S・M・L表記であれば直感的に選べる。ウエストの両サイドにゴムを入れて伸縮性を持たせた仕様も、従来のスーツにはないものだ。
商品名も横文字が主流のファッション業界にあって「みんなのスーツ」とひらがなを採用した。「ファッション好きな層だけでなく、必要に迫られて購入する層にも届けたかった。直感的に商品像が伝わり、耳に残るネーミングとしてひらがなを選んだ」(高橋氏)
定番とは異なるスーツづくりに対し、社内では反対意見が多かったという。部品を減らせば軽さや柔らかさは出せるが、見た目が安っぽくなるリスクがある。
しかし、青山商事のスーツ専門工場は立体的なものづくりを長年追求しており、内側の付属品が少なくても、立体的なシルエットを保てる技術があった。軽い着心地なのに見た目はきちんとしたスーツに見える。開発チームは、そのギャップを生み出せると考えていた。
実際にサンプルを試着してもらうと、社内の評価は一変。その手応えから、通常は大掛かりな新商品で実施するオンラインでの試験販売を省き、発売初日から「洋服の青山」「スーツスクエア」の全店で取り扱いを開始した。
「売れるかどうかというより、市場が今この商品を必要としていると判断した」(高橋氏)
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