青山「みんなのスーツ」なぜ売れる? 4万7000着突破の裏にある“引き算”の発想(4/5 ページ)
青山商事の「みんなのスーツ」が4万7000着を突破。スーツ離れが進む中、なぜ売れるのか。低価格とS・M・L表記、部品を削る“引き算”設計でハードルを下げ、新たな需要を掘り起こした。
想定外の購入者も
発売3カ月で累計2万着を超え、当初計画を3割上回った。新規客は従来品比で約1.5倍に増加するなど、その後も勢いは加速し、3月末時点では4万7000着に達した。ターゲットは30〜40代のビジネスパーソンだったが、実際の購入者は10代から70代まで幅広い層に分散した。
中には、卒業式用に小学校高学年や中学生が親と一緒に購入するケースもあるという。SSサイズから展開しているため対応でき、レンタルよりも安いという理由で選ばれている。
手頃な価格、サイズの分かりやすさ、ネーミングの親しみやすさなど、スーツに対する心理的なハードルを下げた設計が新たな層を呼び込んだ。「これまで来店しなかった層にも届いた」と高橋氏は手応えを語る。
来店客からは「価格の割にちゃんとしたスーツだ」という声が多い。スーツ専門の縫製工場で立体的に仕上げる技術があるからこそ、価格を抑えても「安っぽく見えない」品質を維持できている。手軽さで入り口を広げ、品質で納得させる。この両立が、幅広い層に受け入れられた要因だ。
同社の既存製品とのカニバリも起きておらず、出勤用のセカンドスーツとして購入されるなど、用途に応じた使い分けが自然に生まれている。
スーツの着用年数は一般的に2〜3年だが、みんなのスーツは6カ月〜1年での買い替えを想定している。「カジュアルウェアに近い感覚で手に取れる価格にしたことで、色違いでの買い足しや早いサイクルでの買い替えにもつながっている」(高橋氏)
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