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スーパーは「安さ」ではもう選ばれない 実質賃金マイナス時代、小売りはどう戦うべき?小売・流通アナリストの視点(4/5 ページ)

実質賃金のマイナスが続いている影響で、これまではディスカウントストアに顧客が流れていたが、その流れも落ち着いた。今顧客が求めているのは、「安さ」ではなくなっている……。

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リピートを生むための戦略

 ヤオコーとベルクも、業界屈指のサプライチェーンのインフラをベースにしつつ、生鮮・総菜の品質と品ぞろえの豊富さが、リピートを生んでいるという。両社とも、商品戦略の軸は、生鮮・総菜のさらなる強化である(図表7)。


図表7。ヤオコーの商品戦略の軸(出典:ヤオコーの公式資料)

図表8。ベルクの商品戦略の軸(出典:ベルクの公式資料)

 バローは店舗を「デスティネーション・ストア(生鮮・総菜を目的に、買い物客が足を運ぶ店)」と呼んでいる。昨年末、まさにそのノウハウを結集した店を横浜に投入して首都圏進出を果たしたが、筆者もその人気ぶりを目の当たりにした。

 この店は、業界誌ダイヤモンドチェーンストアが選出する「ストア・オブ・ザ・イヤー2026」に選ばれており、業界関係者も認める存在だ。ディスカウントストアをしのぐ成長力を誇る食品スーパーのキーワードは、「生鮮・総菜のコスパを強化して、目的買いされる店になること」である。

 言われてみると、ディスカウントストアも生鮮・総菜の目的買い型も、戦略の立て方は共通点があるかもしれない。ディスカウントストアも全ての商品が激安なのではない。例えば、ナショナルブランドの食料品は価格比較が可能であるため、地域最安値を実現し、それを目的に来店してもらう動機を作る。目的買い型は、おいしく、かつリーズナブルといったコスパの高い商品を提供し、それを目的に来店してもらう。

 どちらも、店舗の利益を確保できるPB商品などを、ついで買いしてもらう戦略だ。集客ポイントが違うだけで、来店の目的となる商品を持っている。このポイントを明確にし、多様な品ぞろえを確保することが、生活必需品を取り扱う小売企業の競争力を決めているのである。

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