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文具のコクヨ、化粧品メーカーも……イラン情勢なのに株価が上がった意外な企業の共通点(3/3 ページ)
文具と化粧品、安全保障に縁がなさそうなだけでなく原油高の影響も受けそうなこの2社がなぜ買われたのか。そこには、市場における銘柄選定の論理が透けて見える。
コクヨは「使い道に困っていたキャッシュ」が最大の武器に?
同じく3月30日、コクヨの株価は3日続伸で、こちらも逆行高を続けていた。
きっかけは3月27日に発表した自社株買いとみられるが、市場が反応した本質はそこではない。
コクヨはキャッシュリッチで知られる企業だ。有利子負債は少なく、利益剰余金は2100億円も積み上がっている。
平時であれば「内部留保が大きい」と批判の対象になる財務構造だが、原油高でコスト上昇圧力が強まっている。為替も読みにくい足元の局面では、この潤沢なキャッシュこそが最大の防御となる。
加えて、コクヨの売上構造は国内売上高比率が88%と高い。オフィス家具や文具の需要は景気に一定程度連動するとはいえ、原油価格や為替の振れに対する感応度は自動車や電子部品と比べても低いわけだ。
イラン情勢下では外需依存度が低いこと自体が消極的な買い理由になる。そこに自社株買いが重なったことで、市場から評価されたのだ。
荒れ相場での生存戦略
コクヨは潤沢なキャッシュに基づく経営の安定性と自社株買いで市場の注目を集め、需給を締めた。Aiロボティクスは大型M&Aで成長路線を継続中だ。両社の手法は正反対だが、「経営判断が企業価値を動かす」という点で重なる。
資源株や防衛株のように地政学に乗る戦略もあれば、そもそも地政学に振り回されない場所にいるという戦略もある。文具と化粧品の会社が買われた理由は、そこにある。
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