「HOKA」のシューズ、ファッションからアスリートまで市場を横断 なぜ選ばれるのか?(1/3 ページ)
ファッションからアスリートまで幅広い領域の足元をカバーする「HOKA」、どのようなブランドなのか? なぜ存在感が増しているのか?
近年、街中でランニングシューズを履いている人を多く見かけるようになった。ナイキ、アディダス、ニューバランスあたりが定番だが、最近はソールがゴツめのモデルが目立っている。それがHOKA(ホカ)のシューズだ。
2年前、常時200〜250モデルのランニングシューズを販売している大手スポーツ量販店を取材したときに、ランニング部門の担当者がこんなことを言っていた。
「最近はナイキ、アシックス、On、HOKAの4強というイメージです。なかでもOnとHOKAはファッションアイテムとして購入する方が多いようです。特に黒のHOKAは人気がありますね」
ナイキとアシックスは言うまでもないが、Onもここ数年で箱根駅伝に出場する選手が着用するなど、存在感を示してきた。では、この3強に食い込むHOKAとは、どんなブランドで、どういった魅力があるのか。
HOKA、どんなブランド?
HOKAは2009年、スポーツブランド「サロモン」の元従業員であるニコラ・メルムーとジャン=リュック・ディアードによってフランスで設立された。
トレイルランナーである2人は「より速く下り坂を走ることができるシューズ」を模索し、ミッドソールの厚い独自のモデルを開発した。2013年、UGGやTevaなどのブランドを展開している米・デッカーズ・ブランズの傘下となり、現在、国内ではデッカーズジャパン合同会社がHOKAの販売を担っている。
これまで、トレイルランナーやウルトラランナー(フルマラソンを超える距離のレースを走るランナー)から厚い支持を受けていたHOKAだが、近年その人気は別の領域にも広がっている。
「ダッドスニーカー」と呼ばれる、少し昔っぽいボリュームのあるスニーカーが流行したことで、街歩き用のシューズとしても人気が沸騰。ファッションで購入した者が、その履き心地の良さから離れられなくなっているのだ。
HOKAは「厚底」がウリで、厚いミッドソール(靴の中底と接地面の中間に位置する層で、主に衝撃吸収やクッション性、安定性を担うパーツ)が衝撃を吸収する。触り心地はふわふわしているが、反発力もあり、「メタロッカー」と呼ばれるソールの形状も特徴だ。靴底がカーブしており、着地から蹴り出しまでの動きをスムーズにしている。そのため長時間歩いても疲れにくく、スイスイと歩くことができるのだ。
ミッドソールがふわふわなシューズは他にもあるが、HOKAのシューズは歩行時の安定性が高い。また、他メーカーと比べてソールやアッパー(足の甲を覆う上部パーツ全体)の耐久性や通気性が高い。
また同ブランドは、ランニング後の回復、リラックス時の着用を目的とした「リカバリーサンダル」市場にも参入している。シューズと同じく厚底で、そのクッション性から脚への負担が少ないと評価を得ており、ちょっとした外出需要にも応えている。
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