松屋、TikTok Shopで「月商8500万円」 ショート動画から”直接購入”、従来のECモールとの違いは?(3/4 ページ)
松屋フーズがTikTok Shopで月商8500万円を達成した。動画やライブ配信から購買につながる新たな売り方の仕組みと成功要因を探る。
松屋フーズは何に取り組んだのか
若松氏によると、TikTok Shopで成果を上げるための販促手法は、大きく4つに分けられるという。
1つ目は、TikTok上で活動するクリエイターやインフルエンサーに、商品を紹介する動画を投稿してもらう方法だ。複数のクリエイターが同時期に動画を投稿することで、ユーザーに「よく見かける商品」「話題になっている商品」という印象を与え、関心を高める狙いがある。
2つ目は、クリエイターによるライブ配信だ。商品の特徴やセール情報などをリアルタイムで伝える。視聴者はコメント機能を通じて商品に関する質問もできるため、双方向のコミュニケーションが可能だ。若松氏は「面白い話をするというよりも、店舗で接客を受ける感覚に近い」と説明する。
現状では、低価格のセール商品が売れやすい傾向にあるが、今後は視聴者がクリエイターのファンになることで「この人のおすすめなら買いたい」といった購買行動も広がっていくとみられる。
なおクリエイターは、自身の動画やライブ配信を通じて発生した売り上げに応じて、商品ごとにおおむね5〜10%の報酬を受け取る仕組みだ。
松屋フーズでは月に150件ほど、こうしたクリエイターに対して商品サンプルを提供し、動画投稿やライブ配信を促進している。延べ約1000人のクリエイターが取り組んだという。
投稿内容はさまざまで、商品の特徴や価格を分かりやすく伝える動画や、食事シーン、アレンジレシピの提案などがある。日常の利用シーンを具体的にイメージさせる内容が多いのが特徴だ。
この他、自社でライブ配信や動画投稿を行う方法もある。クリエイターに依頼する場合は報酬として広告費が発生するが、自社で運用すればコストを抑えられる。定期的にライブ配信を行うことでコアなファンが形成され、配信が盛り上がればTikTok内で拡散し、新規顧客の獲得にもつながる。
一方、食品業界では、自社アカウントによる動画投稿のみで売り上げを伸ばすのは難しいという。「自社運用のショート動画だけで売れるケースは多くない。そのため、われわれはクリエイターによる動画投稿やライブ配信を優先している」と若松氏は話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「マーラータン」カップ麺、1300万個販売のヒット→実店舗化 ブーム後も生き残れるか、勝算は?
若い女性を中心にブームとなっているマーラータン。医食同源ドットコムはカップ麺「中華房 麻辣燙」のヒットを足掛かりに実店舗へ参入する。
「部長、それってアゲですか?」 沈黙の会議を壊すギャル、大手企業が頼るワケとは
企業の会議に“ギャル”が入り、ため口やあだ名での対話を通じて本音を引き出す「ギャル式ブレスト」が注目を集めている。なぜ今、ビジネスの現場でギャルが求められているのか。「ギャル式1on1」の体験取材とともに、その背景を探った。
