「顔認証」はどこまで進むのか 700億枚データと日本の現在地:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
さまざまな企業の顔認証技術が、世界各地で広まっている。日本でも、大阪・関西万博で「手ぶら決済」が実現し、空港や駅でも導入が進んでいる。利便性が向上する一方、ルール整備が後手に回っており、社会的合意の形成が課題になっている。
世界を読み解くニュース・サロン:
本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
2026年4月6日付の日本経済新聞に「顔写真1枚で全て暴かれる 700億枚食べたAI、米不法移民摘発に使用か」という記事が掲載された。
記事では、米国企業のClearview AI(クリアビューAI)が構築した顔認証システムが、Facebook、Instagram、YouTube、個人ブログなど、インターネット上のあらゆる場所から700億枚超の顔画像を収集し、データベース化していると指摘。顔写真が1枚あれば、名前から住所、職歴、家族構成まで数秒で特定できるので、不法移民の摘発にも活用されているという。
私たちの誰もが丸裸状態になっていると考えるとギョッとする話だが、これは決して他人事ではない。日本でも顔認証が静かに浸透しつつあるからだ。
例えば、2025年に開催された大阪・関西万博の会場では、NECが開発した顔認証決済システムが導入され、約120万人が登録した。財布やスマートフォンを取り出すことなく、スタッフの前でただ顔を向けるだけで決済が完了する「手ぶら決済」が現実となった。こうした体験が当たり前になる日も、そう遠くないだろう。
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