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パフォーマンスが落ちた40代社員、理由は「怠慢」か? 組織を惑わすミッドライフクライシス働き方の見取り図(2/3 ページ)

40〜50代になると「このままでいいのか……」と将来への不安を感じる人は少なくない。こうした心の揺らぎは「ミッドライフクライシス」と呼ばれるが、その要因には、個人の問題にとどまらない働き方や社会構造の変化がある。ミドル層に何が起きているのか。その実態と構造を読み解く。

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なぜ40〜50代で起きるのか 重なり合う「4つの変化」

 背景には、ミドル層の年代にさまざまな変化が重なりやすいことがあります。

 まず、身体面の変化です。30代までの自分と比較して体力の限界や疲れを感じやすくなったり、四十肩や五十肩のような症状が表れたりもします。また、医学的には、加齢による脳の萎縮といった変化を指摘する専門家もいます。

 次に、社会的な立ち位置の変化です。人生100年時代と言われますが、ミドル層はちょうど折り返し地点に当たる年代です。若手でもなくシニアでもない中間的な位置付けの中で人生の歩み方について「このままで良いのか」と考え直し、心が揺らぎやすい面があります。

 また、子育てが一段落するなど家庭における変化を迎える人もいます。子どもは中学、高校と進学するにつれて成長し、少しずつ手がかからなくなっていきます。ミドル層だと、子どもが社会人になって手が離れた人もいるかもしれません。空の巣症候群という言葉があるように、子育てという大きな役割を終えて寂しさを覚えるといったことも起きやすくなります。

 最後に、職業キャリアの変化です。ミドル層は管理職になったり、管理職の中でも上の役職、あるいは役員になったりと重責を負う人も増えます。逆に、長く専業主婦だった人が、子育てが一段落して働き始めるというケースもあるかもしれません。それらも人生における大きな変化の一つです。

 他にも角度を変えればさまざまな変化の重なりを見いだせるかもしれませんが、ここまでに挙げた4点だけでも、同時に生じれば、少なからず影響を受ける可能性があります。

 「クライシス」(crisis)という言葉には「危機」以外に「転機」という意味があります。変化要素が幾重にも重なることがミッドライフクライシスを感じさせ、ミドル層ならではの人生の転換期として認識されるのかもしれません。

共働き時代がもたらした“新たな葛藤”

 先述のように、認知度はまだ高いとは言えないものの、ミッドライフクライシスという言葉を目にする機会は徐々に増えてきています。背景には、時代の変化が関係していそうです。

 ミッドライフクライシスという言葉が生まれた昭和時代の社会では、共働き世帯が少なく専業主婦世帯が主流でした。しかし、令和のいまでは共働き世帯の数が大きく増え、専業主婦世帯の約3倍にまでなっています。

 専業主婦世帯が主流だったころは、キャリアのことで悩む女性は多くはありませんでした。しかし、働く女性が増えるにつれて女性もキャリアの課題を抱えるようになっています。

 一方、男性も育児休業を取得するケースが増えるなど、まだまだ不十分だとしても性別役割分業意識は少しずつ和らぎ、性別問わず家庭内の役割に主体的に取り組む“一億総しゅふ化”の方向へと移行しつつあります。すると、昭和の感覚では女性任せだった家事や子育てが男性の課題としても認識されるようになっていきます。

 女性にキャリアの悩みが加わり、男性に家庭の悩みが加わるといった具合に課題の範囲が広がっていくと、性別問わず同時に重なる変化要素が増え、ミッドライフクライシスをより多くの人が感じやすくなります。これは、昭和から平成、令和と移り変わっていくにつれて生じてきた変化と言えます。

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