「ホワイトカラー500人を建設職人へ」――ライザップ衝撃の発表 “結果にコミット”する「育成プログラム」とは(2/2 ページ)
RIZAPグループが建設事業に乗り出した。建設業界の人手不足を前に「従業員500人を建設職人にジョブチェンジさせる」と意気込む。この取り組みが課題解決の特効薬になるのか。
建設業の「3K」(きつい、汚い、危険)を払拭できるか
建設人材にジョブチェンジする従業員は、グループ内から募集する。500人を集めるには「パラダイムシフト」が必要だと、RIZAPグループの瀬戸健氏(代表取締役社長)は4月14日の会見で語った。「建設業につきまとう『3K』(きつい、汚い、危険)のイメージが人手不足に拍車を掛けています。これを転換しなければなりません」(瀬戸氏)
同社は「新3K」――「給与アップ」「健康」「快活」を提案して、建設人材への転身を加速させたい考えだ。
給与アップについては、人手不足の深刻化によってエッセンシャルワーカーの給与がホワイトカラーを上回るケースが出ている。リクルートワークス研究所が2月16日に発表した調査結果によると、建設躯体(くたい)工事従事者の給与は2020年から2024年にかけて約30%増加しているという。
さらに「現場の労働が最高のフィットネスプログラムになる」という意識転換も図る。デスクワークは肩こりや腰痛、運動不足の原因になり、長時間の座りっぱなしによる悪影響が「第二の喫煙」と表現されることもある。
施工作業の労働は「運動」と定義できると、RIZAPグループは主張する。
「『重い荷物を持って階段を上る』など建設現場で必要とされる動きは、筋力や体幹を鍛えたり有酸素運動をしたりする『ファンクショナルトレーニング』(身体の機能を高める運動)につながります」(瀬戸氏)
まずは50人がスタート 「管理職のジョブチェンジもあり得る」
既に約50人がジョブチェンジに取り組んでいると幕田氏は明かす。RIZAPグループの小売事業を担うREXT Holding(東京都新宿区)や下着メーカーのMRKホールディングス(大阪市)などから、営業職や管理部門のバックオフィス人材といった多様な職種の人材が集まっている。
「本人の希望や特性、スキルと相談しながら進めます。管理職メンバーのジョブチェンジもあり得ます」(瀬戸氏)
リスキリングプラットフォームが成功したら、建設職を希望する人材を社外からも募る予定だ。瀬戸氏は「人材の市場価値や給与を上げるとともに、建設業の人材不足という社会課題を民間企業の力で解消することを目指します」と意気込んだ。
建設業にとどまらず、専門人材の人手不足は深刻化する一方だ。RIZAP建設の取り組みは、課題解決のモデルケースになるのか。
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