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「他責志向の部下」に上司がつぶされる…… 組織と自分を守る「戦略的アサーティブネス」とは(1/4 ページ)

ミスという「事実」を拒絶し、責任を外部に転嫁しようとする“他責志向”。こういった人とどう向き合えばよいか。具体策を紹介する。

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著者プロフィール:村上 ゆかり

コラムニスト。1児の母。リクルートにて人材業界で法人営業、面接、面談フォロー実績数百件を経験。人事役員などと伴走しさまざまな人事課題に向き合う。広告業界にて5000人集客イベント企画&事務局経験、福祉業界では人事管理職として新卒及び中途採用を1人で設計から実務まで担当し年間約120人採用を達成。国会議員秘書約4年半を経験後、フリーで活動を始め、執筆のほか企業の人事採用コンサルタントなどを手掛ける。アンガーマネジメント講師。

 「そんな怖い言い方しなくてもいいじゃないですか」

 「あなただって先日失敗しましたよね。自分のことは棚に上げるんですか?」

 あなたの職場にも、そんな言葉で責任をかわし続ける人はいないだろうか。ミスという「事実」を拒絶し、責任を外部に転嫁しようとする“他責志向”。


他責志向が強い人とどう向き合う?(ゲッティイメージズ、以下同)

 誰にでも他責傾向は通常の認知バイアス(自己奉仕的帰属)としてある程度持っているものだが、認知がゆがみ、慢性化してしまった強い他責志向を持つ人には特に注意が必要である。

 他責がもたらす実害は深刻だ。ジョージタウン大学のクリスティーン・ポラス教授らによる他責的な言動を含む「職場の無礼さ(incivility)」に関する研究(Porath & Pearson, 2013, Harvard Business Review)によれば、職場での「無礼(他責的な態度を含む)」な言動を受けた社員の48%が意図的に仕事の努力を減らし、80%がその出来事を心配して業務時間を浪費したという。

 こうした「目に見えない生産性低下」は、組織のモチベーションをむしばみ、経済的損失を生む可能性がある。

 南カリフォルニア大学のナサニエル・ファストらの研究(Fast&Tiedens,2010)では「他責は伝染しやすい」と指摘している。他人が誰かに責任をなすりつけるのを見た人は、自分自身も無意識に他人のせいにする傾向が強まるというのだ。

 この「他責の連鎖」は、組織から学習能力や創造性を損なう恐れがある。厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」では、職場における人間関係の不満が離職理由の上位を占めている。他責が直接要因とは示されていないものの、他責志向の人と働くストレスが、人間関係の不満を助長する可能性は十分にあるといえる。

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