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ANA「会員制度見直し」で問われる企業姿勢 JALとの比較で見えた“選別”の代償(4/5 ページ)

ANAは4月23日、上級会員制度「スーパーフライヤーズカード」の見直しを発表した。今回の改定がANAのビジネスに今後、どれだけの影響を与えるのか。競合JALの戦略と比較し、考察する。

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「既存客を捨てたANA」と「守ったJAL」 

 ANAと何かと比較されるJALにも、SFCと同様の会員制度である「JALグローバルクラブ」(JGC)が存在する。JALは、ANAと同時期にポイントを2倍にするキャンペーンを実施。「JGC修行」をする利用者も出るなどして、会員を増やしてきた。だが2024年4月、JALはANAに先行して、制度を変更した。

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「JAL Life Status」の紹介ページ。ラウンジを提供するのは「JGC Three Star」以上(JAL公式サイトより)

 ANAとの大きな違いは、制度変更の際、既存のJGC会員に“配慮”したことだ。JALは「新規を絞って既存を守る」(既得権益の維持)という日本的な配慮によって、顧客との信頼をつなぎ止めた。対するANAは、既存客さえもカードの決済額によって一律に選別する「ドライな合理主義」に踏み切った形と言える。JALはラウンジや優先などのサービスが利用できるランクを既存会員に保証した一方、新規で会員になる基準を大幅に引き上げた。

 会員増によるラウンジの混雑は、どの航空会社にとっても共通の課題だ。だが、ANAのSFCからJGCへの“大移動”が起きるかというと、すぐに移行しないと筆者は考える。もし利用者がJGC会員になろうとする場合、カード決済のみで総額約6000万円が必要となるからだ。それでも、JGCが生涯実績プログラムを維持している点を評価し、利用者からは「今後はJALを利用する」という声が続々と出ている。

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JAL国内線の最新「エアバスA350」の普通席。全席にモニターやPC電源など完備する

 JALは既存顧客の継続条件に手を付けなかったことで、信頼関係をそのまま維持した。一方、ANAはラウンジの混雑緩和の特効薬であっても、顧客との信頼関係、ロイヤルティ(忠誠心)を失いかねず、既存会員の解約が増えるのは確実だ。今後、利用者がJGCではなく、SFCを選ぶ動機となる施策も打てていない。

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