「マネジャー」は本当に必要か? AI時代に求められる管理職の仕事(3/4 ページ)
「人の管理」そのものを目的にすると、余裕がなくなる。次から次へと課題が現れ、どれだけ1on1を重ねても解決した気がしない――。では、どうすればよいのか。
目標達成の手順を正しく知ることで、基本に立ち返る
では、どうしたらいいのか。それは、迷ったら基本に立ち返ることだ。私がおすすめするのは、目標達成の正しい手順について、もう一度学び直すということだ。
まず組織の目標を設定し、そこから逆算して中間目標を決める。中間目標が決まったら、中間目標ごとに課題を設定する。課題が設定されたら、その課題を解決するための行動目標を決め、行動計画を作る。そして最後に、行動計画をスケジュールに落とし込む。
これは当たり前のようで、当たり前ではない。多くの組織が、この手順を踏まえず、時間管理に焦点を合わせて「残業抑制」を促す。ピープルマネジメントに力を入れて、部下の「意識改革」や「モチベーション管理」にばかり時間をとる。
それらの作業は、組織目標を達成する手順には入っていないのに、である。
AI時代のリソース配分を考える
ここで重要なのが「誰がやるか」について決めることを、あえて後回しにする発想だ。行動計画を作る段階では「誰がやるか」を先に考えてはいけない。なぜなら「誰がやるか」を先に考えると「その人は忙しい」「それは自分の仕事ではない」「スキルがない」という話になり、行動計画そのものが歪んでしまうからだ。
まず「この課題を解決するために、どんな行動が必要か」を決める。その後に、その行動を誰のスケジュールに入れるかを考える。その「誰か」は必ずしも社員である必要はない。社外のパートナーでも、外部委託先でも、あるいはAIでもいい。
人を先に考えてしまうと、「その人ができるか」「やる気があるか」「やらされ感を覚えないか」という話にすり替わってしまう。しかし本来の順序は逆だ。組織目標が先立つ。
その目標達成のために必要な行動がある。その行動を、もっともうまく実行できるリソースは誰か、あるいは何か――この順番で考えるのが正しい。「モチベーションが上がらない」「スキルがない」という問題は、手順の最後のスケジューリング段階で初めて登場する話であり、行動計画の段階で引きずるべき議論ではないのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
仕事が遅い部下に“あるテクニック”を教えたら、「チーム全体の残業時間」が3割減ったワケ
仕事の効率化や部下育成に悩む上司やリーダーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
オンライン会議中に宅配を受け取る新入社員 叱っていいのか、悪いのか?
何度も続くと気になってくるし、客先での商談となると話も変わってくる。
「残業キャンセル界隈」名乗る若者が増加中…… 上司はどう向き合うべき?
SNS発の「○○キャンセル界隈」が職場にも広がり、「残業キャンセル界隈」を名乗る若手が増えている。背景には働き方改革の誤解や成果への無関心がある。組織の生産性低下を防ぐには?
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。
