「マネジャー」は本当に必要か? AI時代に求められる管理職の仕事(4/4 ページ)
「人の管理」そのものを目的にすると、余裕がなくなる。次から次へと課題が現れ、どれだけ1on1を重ねても解決した気がしない――。では、どうすればよいのか。
AIの登場が問い直す「人材」の位置づけ
この問題は、AIの急速な進化によって、より鮮明になりつつある。
生成AIの台頭により、これまで若手社員が担ってきた業務の多くが代替されつつある。データ入力、資料作成、定型的なコミュニケーション対応。こうした業務は、AIのほうがはるかに速く、正確にこなす。
正直に言おう。私も1年半にわたってChatGPTやClaudeと深くコミュニケーションをとってきたが、主体性がなく指示待ちの部下よりも、AIのほうがはるかに意思の疎通ができると感じる瞬間は確かにある。
AIには「スケジュール」という概念がない。忙しいAIは存在しない。一方人間には向き不向きがあり、スキルの差があり、やらされ感を覚えることもあれば「モチベーションが上がらない」と言い出すこともある。人というのは、リソースとして扱うには非常にやっかいな存在だ。
とはいえ、人間にしかできないことは確かに存在する。創造性、深い文脈の理解、信頼関係の構築、そして組織の方向性を示すリーダーシップだ。AIをリソースとして使いこなしながら、人間の強みが発揮される領域に集中させる。これが、これからのマネジメントに求められる姿だ。
では、管理職は何をすべきか
組織は何のために存在するのか。組織目標があり、その目標を達成させるために存在している。これが集団との決定的な違いだ。この原点に立ち返ることが、AI時代の管理職に最も必要なことだ。
企業には理念がある。ミッション、ビジョン、バリューで構成されるその理念を実現するために、目標が設定され、事業計画が立てられる。その目標を達成するための手順を正しく知り、組織全体に共有し、徹底させる。これが管理職の本来の役割だ。
人の成長を支援することも、部下の気持ちに寄り添うことも、それ自体は大切だ。しかしそれは「目標達成のための手段」として行うのであり、それ自体を目的にしてはならない。目的と手段を取り違えた瞬間に、管理職は迷走し始める。
「どうすれば部下のモチベーションが上がるか」ではなく「どうすれば目標達成の手順が組織全体で実行されるか」。この問いに答えることが、これからの管理職に求められる最大の仕事である。
「目標は立てている。でも、なぜか達成できない――」
その原因は、努力不足でも意志の弱さでもありません。
多くの場合、問題は「正しい目標の立て方ができていない」ことにあります。
本書は、目標設定から計画立案、行動設計、進捗管理までを一気通貫で整理した、「実践型・目標達成の教科書」です。
営業コンサルタントとして数多くの現場を支援してきた横山信弘氏が、成果を出す人と出せない人の決定的な違いを体系化。目標達成を“精神論”から解放し、やる気に頼らず仕組みと運用で、目標設定から行動管理までを一気通貫で学べる目標達成本の決定版です
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