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「親の名前」を忘れていた高齢者が語り出した――AI内臓「昭和の青春ラジオ」が介護現場を変えている(4/5 ページ)

生成AIを使ったラジオが、介護現場で導入されようとしている。懐かしい曲や当時のニュースを流すことで、介護施設利用者の記憶を呼び覚ますことができているが、今後浸透する可能性はあるのか?

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なぜ、木製ラジオなのか

 RADIO TIME MACHINEは生成AIを使ったソフトウェアだが、それを重さ約2キロの木製ラジオというハードウェアに組み込んでいる。前面に大きなつまみが付いているなど、1950〜60年代の日本のラジオデザインを参考にしたという外観は、高齢者が「懐かしい」と感じる見た目だ。


製品開発年表(1)。開発プロジェクトは2023年8月に始まった(提供:博報堂)

製品開発年表(2)。初期調査でのフィードバックを踏まえ、木製の外装デザインに変更(提供:博報堂)

 しかし、なぜスマホアプリではダメだったのか。鈴木氏は「高齢者に触ってもらうには、こうしたリアルなものでないと難しい」と話す。介護施設の高齢者はそもそも自身のスマホを持っておらず、アプリは扱いづらい。長く使ってもらうには、画面の中ではなく、リアルなモノとしての存在感が必要だったのである。


懐かしさを感じる見た目に(筆者撮影)

 また、ラジオであることが、より豊かな交流や体験を作り出している。テレビと違い、ラジオは画面を凝視する必要がない。そのため、共有スペースに置けば複数人で楽しむことができ、視線が解放されているため利用者同士やスタッフとの会話が成立する。スタッフが「ながら聴き」で利用者と言葉を交わせるのだ。

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