インタビュー
「親の名前」を忘れていた高齢者が語り出した――AI内臓「昭和の青春ラジオ」が介護現場を変えている(4/5 ページ)
生成AIを使ったラジオが、介護現場で導入されようとしている。懐かしい曲や当時のニュースを流すことで、介護施設利用者の記憶を呼び覚ますことができているが、今後浸透する可能性はあるのか?
なぜ、木製ラジオなのか
RADIO TIME MACHINEは生成AIを使ったソフトウェアだが、それを重さ約2キロの木製ラジオというハードウェアに組み込んでいる。前面に大きなつまみが付いているなど、1950〜60年代の日本のラジオデザインを参考にしたという外観は、高齢者が「懐かしい」と感じる見た目だ。
しかし、なぜスマホアプリではダメだったのか。鈴木氏は「高齢者に触ってもらうには、こうしたリアルなものでないと難しい」と話す。介護施設の高齢者はそもそも自身のスマホを持っておらず、アプリは扱いづらい。長く使ってもらうには、画面の中ではなく、リアルなモノとしての存在感が必要だったのである。
また、ラジオであることが、より豊かな交流や体験を作り出している。テレビと違い、ラジオは画面を凝視する必要がない。そのため、共有スペースに置けば複数人で楽しむことができ、視線が解放されているため利用者同士やスタッフとの会話が成立する。スタッフが「ながら聴き」で利用者と言葉を交わせるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ジャングリアの「刀」累積損失62億円の衝撃 イマーシブ・フォート東京撤退で露呈した“死角”
USJを再建した森岡毅氏率いる「刀」が、かつてない危機に直面している。官報で判明した62億円の累積損失と、わずか2年での旗艦施設閉園。数学的マーケティングはなぜ「自社事業」で躓いたのか。その背景と沖縄事業への懸念を分析する。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
ニトリHDの時価総額半減……「36期成長神話」が崩壊した、これだけの理由
36期連続成長を成し遂げたニトリが、苦境に陥っている。その原因は、似鳥会長の相場観にあるのかもしれない……。
サンリオ株価、まさかの「ほぼ半値」に……なぜ? ジャパンIPに降りかかった災難の正体
今もなお業績を伸ばしているはずのサンリオ株が、前年の最高値から半値近い水準まで売り込まれている。これはなぜだろうか。決算資料や各地の市場動向を詳細に読み解けば、株式市場の評価とは乖離した実態が浮き彫りになる。
「あの時気付いていれば……」 モンスター社員を面接で見抜く、たった一つの重要質問
彼らは「嘘をついている」わけではない。ゆがんだレンズを通して世界を見ているため、彼らにとって「正しいこと=周囲が悪であること」という構図は、疑いようのない真実として映っているのだ。


