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「報連相より結果が大事」 台湾人が日本企業に抱く“カルチャーギャップ”とは?【連載】ニッポンを「職場」に選んだら(3/3 ページ)

台湾の人々にとって、日本企業の働き方はどのように映っているのか──。台湾の人々の就労観や、日本企業に抱く文化的なギャップについて話を聞いた。

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「メールよりLINE」 台湾で重視されるスピード感

――ビジネスシーンにおける違いはありますか?

 例えば特徴的なのは、台湾の企業商談においては、初対面でも最後に「LINEを交換しませんか」と言うことが一般的です。

 メールだと「返信が遅い」という感覚があり、テンポの速いやり取りができるLINEが好まれます。日本だとセキュリティや履歴管理の観点から、個人LINEを避けるケースが多いですよね。

 あと、日本では途中経過をメールで返しますが、台湾では結果が出るまで途中報告しない人も多い傾向があります。

 だからこそ「すぐ反応が確認できるツール」が好まれる面があります。

「年収300万円」が魅力的ではなくなった 日本の優位性低下

――日本と台湾の給与水準の差は年々縮まり、半導体分野などを筆頭に台湾の方が高くなっています。

 日本企業の優位性が、台湾の給与水準の上昇と円安のダブルパンチで、なくなりつつあるのは事実です。

 コロナ禍前は、日本の年収300万円は、台湾元に換算すると約100万元。特に一般職の新卒としては高水準で魅力的でした。

 ただ、現在は台湾側の給与上昇に加え、円安が進んだことで、相対的な魅力はかなり下がりました。現行のレートだと日本の年収300万円は台湾元で約60万元。一般的な新卒と同程度、あるいは優秀層から見ると低い水準に見えるケースもあります。

 もちろんこうした給与面は重要な要素なのですが、日本で働きたいと考える台湾の人がいるのは、旅行や文化を通じて「日本が好き」「日本の生活に憧れる」という気持ちが強いからです。

 逆に言えば、日本企業が「台湾と同等以上の給与」を出せなければ、選ばれる企業と選ばれない企業の二極化が進みます。

 日本の新卒一括採用や、社内バランスを重視した従来の給与テーブルでは、結果的に優秀な人材を取り逃すことになってしまいます。台湾では新卒の一括採用という慣習はなく、優秀な人には高い給料を出すのは当たり前です。

──日本企業の意思決定の遅さなども、たびたび指摘される点です。

 海外企業との商談では、その場である程度判断するスピード感が求められます。しかし日本企業は、一度社内に持ち帰って確認するケースが多いですよね。契約の法務チェックだけで1〜2週間かかることもあります。

 以前は、日本の製品やサービスの品質が圧倒的に高かったので、その遅さでも成立していました。しかし現在は、他国の企業の品質もかなり向上しています。今後は、決裁フローや意思決定スピードがグローバル競争では影響してくると思います。 

――日本企業の強みは何でしょうか。

 やはり人材育成です。

 日本企業は、新卒を一から育てる文化がありますし、総合職として複数部署を経験できる仕組みもあります。

 台湾企業は、基本的に即戦力採用が中心です。「育てても転職する」という前提があるため、長期育成の発想が弱い傾向にあります。

 だからこそ、日本企業の教育体制に魅力を感じる台湾人は多いはずです。


台湾マイナビ董事長の張聖豪さん(本人提供)

 円安や給与面の課題はありますが、それでも日本で就職を希望する台湾の人々の「日本で働きたい」「日本に住みたい」という気持ちは、非常に強いものがあります。日本に対する好感度は非常に高く、両者の関係性もとても安定しています。

 今後も台湾から日本で働きたいという人々の意欲は変わらないだろうと見ていますが、企業を選ぶようにはなるはずです。 

 コロナ禍の前は「日本で働けるならどこでもいい」という台湾の求職者も多かったですが、今は違います。しかも今は、日本国内の人手不足によって完全に売り手市場です。

 台湾の求職者は、給与、勤務地、職種、働き方などを比較しています。地方勤務より都市部希望が強くなっています。

 今後、日本企業には一層「選ばれる企業になる」という視点が求められると思います。

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