なぜ、自動車ディーラーは数億円を投じてスーパーGTに挑むのか 知られざるメリット:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
スーパーGT選手権には、自動車ディーラーもチームとして参戦したり、メインスポンサーとして参加したりしている。その背景には、他社との差別化や社員教育などに加えて、地域活性化や顧客との関係性を深める狙いがありそうだ。
高根英幸 「クルマのミライ」:
自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。
2026年5月、20年ぶりにスーパーGT選手権を取材した。3年前からスーパー耐久選手権(S耐)を取材しているため、ツーリングカーレースの現場感覚はつかんでいるつもりだったが、やはりスーパーGTは一味違った。
この2つのレースカテゴリーの違いを説明すると、スーパーGTは、古くはシルエットフォーミュラと呼ばれる、市販車を大幅に改造した車両で競うツーリングカーレースがルーツのハコ車レース(市販車のレース車両をハコ車と呼ぶ)の最高峰。
スーパーGT選手権は「世界最速のツーリングカーレース」とも称される、国内最高峰のカーレースだ。写真は、2026年5月の第2戦FUJIのGT500クラスのスタートシーン。はるか後方に見えるのはGT300クラスの集団(写真:meiju0919)
今や上位クラスのGT500は、フォーミュラマシンにボディをかぶせただけのようなメカニズム(ただしエンジン搭載はフロント)で、恐ろしいほどのコーナリングスピードでサーキットを駆け巡る。2人のドライバーが組んで2〜3時間を戦う。全力で走り続けるダイナミックなレースを展開する。
一方、S耐は、1985年に開始された「筑波ナイター9時間レース」がそもそものルーツだ。その後1990年にはN1耐久選手権としてシリーズ化され、4〜5時間のレースを中心に、現在では富士24時間レースもシリーズ戦に組み込まれている。
改造範囲が狭いため、プライベーター(自動車メーカーなどの支援を受けていないチーム)でも参加しやすく、マシンのバリエーションも広い。長丁場のレースでは予測不能なハプニングも起こり得るから、こちらはこちらで面白い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「残クレアルファード」はこうして広まった マイルドヤンキーとトヨタの“最適解”
トヨタの高級ミニバン、アルファードが人気を維持している。当初から突出して人気だったのではなく、3代目モデルのインパクトのある顔つきでヒットした。さらに、残価設定クレジットによって地方の若者にも手が届くようになり、長期的な人気につながっている。
なぜホンダは伸び悩むのか 11年連続首位「N-BOX」が抱えるジレンマ
2025年度もホンダの軽自動車、N-BOXが最も売れたクルマとなった。しかし、これがホンダの業績の足を引っ張っているのではないか。軽自動車市場での優位性を生かしつつ、得意としてきたユニークなクルマづくりで価値を創り出していってほしい。
なぜ、ランクルは“コスパ最強SUV”なのか 最上位300シリーズが人気の理由
実用性が高いトヨタ車の中でも、人気があるモデルの一つがランドクルーザーだ。ぜいたくな走破性を普段使いする需要が高まることで、装備は豪華になり、ラインアップも拡充。特に、高価格帯の300シリーズはコスパが抜群に良く、所有満足度を高めている。
残クレのゴリ押し、ボディコーティング……車ディーラーはどうやって儲けているのか
自動車ディーラーはどのように収益を確保しているのか。時代とともに、新車・中古車販売や付帯サービスなどの状況が変化している。2025年4月には、“抱き合わせ商法”が問題視された。最近は、高額なボディコーティングが人気で利益率も高いようだ。
スポーツカーに未来はあるのか “走りの刺激”を伝え続ける方法
スポーツカーはクルマ好きの関心を集め続けているが、乗り回せる環境が限られるようになってきた。一方、マツダ・ロードスターなど価値のあるモデルも残っている。トヨタは運転を楽しむ層に向けた施策を展開している。今後のスポーツカーを巡る取り組みにも注目だ。
