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トヨタ超えのキオクシア、半値になったフジクラ 同じAI銘柄なのに明暗が分かれた理由(2/3 ページ)

AIデータセンター投資ブームを追い風に、ともに過去最高益を更新したキオクシアとフジクラ。しかし市場の評価は真逆だった。時価総額45兆円へ駆け上がったキオクシアと、高値から半値近くまで売り込まれたフジクラ。両社の差は何か。

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両社は「チェーン」ではなく「別の層」にいる

 「サプライチェーン」と聞くと、連想されるのは、川上から川下へ一本でつながり、上流の富が下流にも流れ落ちるといった構図ではないだろうか。

 だがキオクシアとフジクラの関係はそうではない。両社の間に売り買いの直接取引はほぼ存在しないと考えてよい。キオクシアはフジクラから何かを仕入れているわけではないし、その逆もない。

 この点については、AIデータセンターの中身を分解すると構造が見えてくる。

 データセンターの大部分を構成する半導体装置といえばGPUなどの演算装置だ。演算装置には超高速のメモリが必要となる。そして、演算装置とサーバー、ラック、データセンター同士を結ぶのが光ファイバーケーブルだ。

 キオクシアが担うのはストレージ(記憶容量)の層だが、フジクラが担うのは光ファイバーケーブルといった接続の層である。

 両社は縦につながった鎖の輪ではなく、横に並んだ別々の要素とみる方が妥当である。巨大なITインフラ企業によるデータセンター投資という水源は同一にしつつも、各々が扇状に枝分かれした先にいる存在だ。


「水源」は同じだが、直接つながっているわけではない(ChatGPTで作成)

 水源が潤えば両方が潤うのは確かだが、本流と支流では流れる水、つまり富の量に差が生まれることは想像に難くないだろう。

価格で稼ぐキオクシア、数量で稼ぐフジクラ

 最大の違いは、利益が生まれるメカニズムにある。

 NAND型フラッシュメモリは構造的な品不足に陥っている。2026年のNAND価格は年間で234%もの上昇が見込まれており、Google、Amazon、Meta、OpenAIといったIT巨人が残り少ない生産枠を奪い合っている。

 キオクシアの利益が爆発したのは、販売数量だけでなく市場原理に基づいて単価も暴騰しているからだ。

 一方のフジクラは数量と設備投資で稼ぐビジネスモデルである。

 同社は確かに光ファイバーケーブルや、現場でファイバーをつなぐ融着接続機で世界トップシェアを握り、データセンター建設の進ちょくに合わせて製品販売を拡大する。

 ただし、NANDのように1年で価格が数倍に跳ねる商材ではない。光ファイバーも直近では需給逼迫で価格が上昇しているものの、長期契約が中心で、市況がそのまま利益に直結する度合いはメモリより小さい。

 光ファイバーケーブルの耐用年数は屋内で20年程度といわれている。計算負荷や技術革新により3〜5年で世代交代するGPUと比べて、製品の販売サイクルが長い。

 つまり、フジクラはデータセンターの建設が続く段階では大幅な増収増益が期待できるが、建設が一段落すると、それまでの利益は確保しにくい可能性があるということだ。

 同じAI需要を浴びても、利益の生み出し方はこれだけ違うということだ。

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