トヨタ超えのキオクシア、半値になったフジクラ 同じAI銘柄なのに明暗が分かれた理由(3/3 ページ)
AIデータセンター投資ブームを追い風に、ともに過去最高益を更新したキオクシアとフジクラ。しかし市場の評価は真逆だった。時価総額45兆円へ駆け上がったキオクシアと、高値から半値近くまで売り込まれたフジクラ。両社の差は何か。
「どちらが買いか」ではない
ちなみに、NANDは歴史的に「需要拡大→価格上昇→供給過剰→価格下落」を繰り返してきたカテゴリで、価格変動が激しい分野である点には注意が必要だ。
直近の相場を切り取ってキオクシアが優れていると断じることはできない。現時点では、キオクシアに有利な事業環境となっているに過ぎない。
今回のキオクシア隆盛を正当化する「品不足」のストーリーも、新しいメモリ工場の稼働が追いつく2027〜28年には緩和に向かうとの見方も一部ではささやかれている。トヨタ自動車を上回る時価総額45兆円を長期的に維持できるかは不透明だ。
そして、フジクラの急落はむしろ健全な市場の自浄作用とも解釈できる。
過熱した期待が、高い利益率を維持する堅実なインフラ企業という等身大の評価へ修正されただけだとすれば、5月の急落は出直しの起点になりうる。ギャンブル的な投資マネーが引いたことで、より本質的な企業価値を重視する投資家にとっては、納得感の高い値段で投資できるようになったともいえる。
結局「キオクシアがもうかるならフジクラも」という連動が5月に崩壊したのは、AIデータセンターという同じ源流を見て全部つながっていると、投機筋を中心に早合点したからではないだろうか。
同じAIデータセンター銘柄といえども、下流には演算、メモリ、ストレージ、通信、電力、冷却へと扇状に枝分かれしており、それぞれの支流では異なるビジネスモデルや価格決定がなされていることを認識しておく必要があるだろう。
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