「ラーメン二郎の誘い方」に上司力がにじみ出る 部下が動く伝え方とは:おくりバント高山氏インタビュー2(3/4 ページ)
部下に本を勧めても読まない、飲み会にも来ない――。そんな悩みを抱える上司は少なくない。プロ営業師・高山洋平氏が、価値観を押し付けず相手を動かす伝え方のコツを解説する。
高山氏流「ラーメン二郎」の誘い方
――では、部下に嫌われず、むしろ「この人の話を聞きたい、一緒に行きたい」と思ってもらえる上司になるには、どうアプローチすればいいのでしょうか。
例えば、君はラーメン二郎を食べたことはある? 「ラーメン二郎に行ったことがない人」をラーメン二郎にどう誘う?
――食べたことはあります。「すごくおいしいから一緒に行ってみよう」とか、「今まで体験したことがない新しいラーメンを食べられるよ」と、ラーメン二郎の魅力を頑張って伝えると思います。
そうだね。基本みんな上から言うんですよね。「ラーメン二郎を食べてないのは人生の半分を損している」「俺が本物を教えてやる」って。結構おこがましい。
俺だったら「ラーメン二郎食べてないのに、なんでそんなに仕事できるんですか、食べてるでしょ?」「え、食べてない? 食べましょう。食べたら、たぶん上場企業3つ持てますよ」って言う。部下に本を勧めたかったら「なんでこの本を読んでないのに、そんなに仕事できるの?」って伝えます。
――なるほど! 「これをしろ」と正論を上から押し付けるのではなく、相手を褒めつつ、好奇心を刺激する。これなら言われた側も嫌な気がせず、「行ってみようかな」「読んでみようかな」と自然に動きたくなりますね。
みんながハッピーになれるように、どうすれば喜んでくれるかを真剣に考えていく。俺もラーメン二郎を食ってほしい。でも押し付けたらダメなんですよ。
――そうしたユーモアのある伝え方は、普段から意識して磨いているのでしょうか。例えば、部下がミスをした時の伝え方に悩む上司も多いかと思います。
前に、BaRプードルの従業員の子がお酒の瓶を割っちゃったんです。パリンって割った時に、何と言えば最上級に優しいと思います?
――ミスをして焦っている相手ですから、「大丈夫? けがはなかった?」と気遣うことでしょうか。
俺なら「ちょうど割りたかったんだよ」と言います。「割ってくれてありがとう、悪いね」ぐらいのテンションで伝えます。
――割ってしまって申し訳なく思っている中、逆に感謝されると気まずさが吹き飛びますね。相手の立場に徹底的に立つからこそ、出てくる言葉だと感じます。
例えば、自分が上司に怒られたときに、逆に「俺だったらどうするか」を考える。良い上司がいたら「俺もその言い方を使おう」と思うし、ダメな場合は反面教師にする。
「どうすれば嫌われず、より仕事の成果が上がるような関係を作れるか」というのを常に自問自答しています。
映画を見ていても「こういうコメントかっこいいな」「こういう上司かっこいいな」「こういう時はこういう風に言うんだ」と観察しています。仕事に関する映画じゃなくても「これがビジネスの場だったらどうかな」というのを、いつも考えます。いろんな漫画や本を読んだり、人と話したり、ラーメン二郎を食べたり、なんでもそうですね。
――日常のあらゆる体験を「どう言えば相手が喜ぶか」というコミュニケーションの引き出しとして、ストックされているのですね。
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