米国は「スタバ離れ」が深刻なのに、なぜ日本では好調? ドトールやコメダにはない強さとは(4/5 ページ)
米スターバックスが日本事業の売却を検討している。日本のスタバは好調で、売却額は最大5000億円になる見込みだ。国内競合のドトール、コメダ、タリーズと比べても、スタバは店舗数が最も多い。その背景を探る。
コメダとタリーズの戦略は?
スタバとは対照的に、ロードサイドを押さえたのがコメダだ。大手4社の中では唯一のフルサービス型店舗で、比較的食事メニューが充実している。1968年に喫茶店文化と自動車文化がある名古屋で誕生し、長年にわたって中京地域を中心に展開してきた。他の地域への出店は遅く、関東には2003年に、関西には2006年に進出した。
店舗の約98%がFC店で加盟店のロイヤリティーは低く、本部は食材やコーヒーの卸売りで収入を得ている。近年も規模拡大が続いており、2025年末時点で1030店舗を展開している。一方、広々とした店舗を強みとするため、賃料の高い都市部ではあまり出店できていない。
目立たない場所に出店するタリーズ
タリーズはスタバと同じ、エスプレッソがベースの「シアトル系コーヒー」に分類される。日本では実業家の松田公太氏が持ち込み、1997年に1号店を出店した。
米本部が多くを出資していたスタバとは対照的に、日本のタリーズは創業当初、ベンチャー企業のような存在だった。そのため、人通りの少ない裏通りやオフィス街など、比較的目立たない立地での出店が標準となった。また、2004年以降は大手チェーンでは先駆けて病院内への展開も進めた。
2006年に伊藤園の子会社になったことで資本力が高まり、積極的な出店が可能になった。店舗数は2007年4月末の299店舗から2012年度末には513店舗に拡大。2025年度末時点で、850店舗を展開しており、そのうち約4割がFC店だ。伊藤園が2009年に発売したタリーズの「ボトル缶」はコンビニでもおなじみのヒット作となっており、同社の認知度向上に貢献した。
メニューではパスタなども提供し、食事需要を取り込んでいる。筆者の所感だが、スタバと比較するとタリーズは都市部の店舗でもやや広々としている。テークアウト客の行列も少なく、繁忙さを感じにくい。静けさや広さを求めてスタバよりタリーズを選ぶ消費者も一定数いるようだ。
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