【7月1日から】未達成なら月5万円 「障害者雇用率2.5%➔2.7%」引き上げへの処方箋(2/3 ページ)
7月1日、企業に義務付けられている障害者の法定雇用率が2.5%から2.7%へ引き上げられました。AI活用などで労働環境が変わりつつある昨今、企業は障害者雇用にどう取り組めばいいのでしょうか。社会保険労務士が解説します。
大企業の雇用率が高い「カラクリ」
もっとも大企業の障害者雇用率が高いのは、受け入れの体制が整っているだけではありません。「特例子会社」という制度を活用して雇用している企業もあるからです。
特例子会社とは、障害者の雇用促進と安定を図るため、親会社が障害者の雇用に配慮をして設立し、厚生労働大臣の認定を受けた企業です。
特例子会社で雇用した障害者は、親会社で直接雇用しているものとみなして法定雇用率を計算できます。障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上、障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合が30%以上などの要件があります。
企業側にとって、障害者を受け入れる際の設備投資を集中化できることや、親会社と異なる労働条件の設定が可能となり、弾力的な雇用管理が可能になるメリットがあります。
「代行ビジネス」の功罪
特例子会社を作る余裕がない企業にとって、就労場所と人材紹介、業務サポートを提供してくれる雇用代行事業者は、頼もしい存在です。これは代行事業者にサービス料を払う代わりに、業務運営や労務管理のサポートを委託する仕組みです。障害者を受け入れる体制ができていない企業でも法定雇用率を達成できるメリットがあります。
採用した障害者は、提携した代行事業者が運営する農園やサテライトオフィスで勤務することになります。障害者は、雇用主である企業の事務所に出勤しなければ、他の従業員と顔を合わせることもありません。
こうした状況について「障害者の希望と反する業務に就かせている」「業務の丸投げではないか」などの批判もあります。
もちろん、代行業者の全てが悪いわけではありません。障害者の雇用機会を広げたことへの感謝の声も、関係者からは寄せられています。とはいえ、厚生労働省では代行ビジネスの規制や指導方針の議論が進んでいますので、今後の動向を注視したほうが良いでしょう。
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